以下は、11月3日の私のFacebook投稿です。本文が長く、全文表示の状態でスクリーンショット画像が撮れないため、テキストと画像を以下にご紹介します。
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#しんゆり映画祭 #場外乱闘 続報
これまで、【しんゆり映画祭事務局&スタッフおよび、ドキュメンタリー映画監督・纐纈あやさんによる、10月30日の「しんゆり映画祭で表現の自由を問う」イベントのノーカット音声の削除、加えて、纐纈監督個人からは「プライバシーの侵害としてYouTubeのアカウント停止を求める」と言われている件】としてきましたが、件名があまりに長すぎるので(140文字のTwitterでは、タイトルを書いただけで文字制限に達してしまいます^^;)今後は「しんゆり映画祭・場外乱闘編」とします。「ふざけてんのか!」というご批判もあるかもしれませんが、今回、しんゆり映画祭で問題の中心となった映画のタイトルが『主戦場』でしたので、それにかけて「場外乱闘」と命名する次第です。(ふざけてるんじゃなくて、大真面目なの)。
さて、ノーカット音声公開について、様々なご意見を頂く中で(様々な…というより、大まかには支持する・支持しないのふたつ)、「公開を支持しない(=削除せよ)」という人の理由に、「人を怯えさせ、映画やドキュメンタリーの表現の場を奪っていく」、「表現の自由を狭めてしまう行為」と書かれていることが、たびたび見受けられます。
この点につき、とても興味深い現象がTwitter上で発生しているので、ご紹介させていただきます。
「公開を支持する」派については、私が公開した意図を理解してくださっている(それはもちろん、私の発言全てにではなく、「公開」という一点に絞り、支持してくださっている、という意味です)ので、ここでは紹介しません。
以下にご紹介するスクリーンショット画像は、「公開を支持しない(=削除せよ)」という方々のものです。(映画祭スタッフという立場からの削除を求める意見は、ここでの現象考察からは除外します)
スクショ画像掲載順に、まず、「まる」さん。
プロフィール欄を拝見すると:「あいちトリエンナーレ問題は 河村さんのご意見に賛同しています」、と書かれています。
私の音声公開に対し、「全部見させていただきました。どのような方が参加されているのか分かりませんが、恐怖を感じました。」とコメントし、発言したスタッフの方々の不安にさぞ同情するような装いをしていますが、実際には、プロフィールや過去ツイートを見れば、「まる」さんが映画『主戦場』の内容にも反対する方だろうということは想像できます。
次に「緋色の時計塔」さん。
映画祭スタッフの「ヒロクマ」さんが、私に音声削除を求めた際、「そんな人に映像作家を名乗る資格はありませんし、表現の自由を理解しているとは思えません」と書いたツイートに「いいね」を押しています。
一方で彼は、別のツイートでは映画『主戦場』のミキ・デザキ監督の手法に反対し、「天皇陛下、万歳、万歳、万歳!」という人のつぶやきもリツイートしています。
あいちトリエンナーレに関しては、以下のツイートをリツイートしていました。
上に掲載したツイート内の、「勇気ある発言者」の発言内容がどのようなものだったのかについては、こちらのツイートに、約2分の抜粋動画が掲載されています。ご興味のある方はご覧ください。
そして3番目は「よいちろ」さん。
こちらの方に関しては、表現の自由について、様々な情報を見聞きするうちに、やや混乱した方向へ向かって行ってしまった…とお見受けします(失礼な言い方でしたら、申し訳ありません)。
「よいちろ」さんのツイートを拝見すると:
- しんゆり映画祭には好意的
- 『主戦場』も上映してほしい
- でも、ミキ・デザキ監督の取材手法には怒りを覚える
- 『主戦場』の出演者が感じた恐怖を、スタッフにも追体験させるのかと怒る
- 私のやり方・考え方、批判を受けた後の応対ぶりは、ミキ・デザキ監督にそっくり(←ある意味すごいお褒めの言葉!)
…等々。
現代のSNS社会において、様々な立場の話者が、それぞれ自分こそ正しいと、もっともらしく聞こえる論調と根拠で情報発信をするため、どれもが正しく見えてしまいます。それらのバラバラな主義主張を、警戒なく取り入れていってしまうと、「表現の自由」の根本を見失い、各論で「これは良い」「でもこれはダメ」といった思考に陥りがちです。私も良く気を付けて、ネットの情報過多と付き合わねばならないと、改めて気づかされました。
そして4番目は「SIMS」さん。
プロフィール欄を拝見すると、フォローゼロ、フォロワーゼロ、プロフィール文なし、ツイッターアカウント開設時期2019年8月、これまでのツイート数8件、となっています。
「SIMS」さんは、ご自身の発言はなく、リツイートやハッシュタグをつけた発信のみです。8件しかないツイートは、すべてしんゆり映画祭の、音声公開に関するもののみ。
私を批判するおちさんやヒロクマさんなどのツイートをリツイートしているので、しんゆり映画祭側の意見に近いアカウントに「一見」見えてしまいますが、注目すべきは、フォロー&フォロワーがゼロ、開始時期が2019年8月(あいちトリエンナーレ問題が起きた時期)だということです。
今回の「しんゆり映画祭・場外乱闘」は、(不本意ながら)ある意味で、表現の自由を守ろうとする側の市民・表現者かんでの対立・分裂だとも言えます。
「SIMS」さんからは、この、表現の自由を守りたいと願う人たちの内部分裂を楽しみ、分断を加速させようという意図が感じられます。
2019年8月にアカウントを開設したにもかかわらず、これまでのツイートが、数日前からの場外乱闘に関するものしかない…というのも、とても不自然です。
最近は、SNS上での、匿名アカウントによる悪意の誹謗中傷について、法的措置を取る人たちもいます。
「SIMS」さんはおそらく、その時々の「炎上案件」に乗っかって、市民間の対立をあおり、楽しんでいるだけなのだと思います。その案件が鎮火すれば、また別の炎上案件にコメントする。万が一名誉毀損で訴えられたら困るので、匿名アカウントとはいえ、その案件が鎮火後は、それに関するツイートはすべて消す(=だから今は「場外乱闘」に関するツイートしかない)…
こういうことだろうと、私は分析します。
公開討論の音声が公開されたら、職場で問題になってしまうかもしれないと言う懸念に、表現の自由を潰そうとする匿名の人たちが、共感・賛同の「いいね」や「リツイート」を送る…
表現をしようとする人たちの、不安をあおり、萎縮させ、自己規制をさせる…
そんな「表現規制派」の術中に、映画祭側は知らずまんまとはまっているのです。
私から見れば、「公開討論音声の削除を求める」行為こそ、表現の自由に「萎縮効果」を与えており、「害悪」だと私は感じます。
Twitterで、映画祭事務局の対応やコメントに「リツイート」や「いいね」をする人たちの中に、こういう人たちがいる(しかもかなり頑張って大量のリツイートやいいねをしています^^;)ということも、ぜひ、削除を求める方々には注目していただきたいです。
その他、「表現規制派の分断工作」以外に、本心で、正義感で、善意で「削除せよ」と言われる方々もいます。これらは主にメールで、(全員面識はありませんがおそらく)本名で、私に忠告してくださる方々です(※メールやDMは私信ですので、公開しません。私が一連の「場外乱闘」記事の中で取り上げるコメントや発言はすべて、TwitterやFacebookの公開投稿に寄せられた公開の声のみです)。
「ルールがあるんだから従うべき」「映画祭が削除してと言っているんだから、映画祭を成功させるためにも、早川さんも削除に協力してあげてください」「早川さんだって、映画祭を成功させたいという気持ちは、同じでしょう?」等の意見です。
「善なる人」「善良な人」という表現が良いのかどうか分かりませんが、これらの方々との議論は平行線になりがちで、ある意味一番難しいです。
先に紹介したような「隠れ工作員」たちは相手にしなくて構いませんが、混乱した「よいちろ」さんや、正義感に満ち溢れた「善なる人々」と、表現の自由についてどのように対話し、お互いに理解していけるか…
これが最も難しく、なおかつ、一番大事なことかもしれません。私自身、有効な解決策についてまだなく、試行錯誤の段階です。今回の場外乱闘を機に、一層考えていきたいと思っている次第です。
以上です。
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上記のFacebook投稿に対し、ジャーナリストの立石泰則さんより以下のコメントを頂きましたので、ご紹介します。
(上記投稿に対する、その他の方々のFacebookコメントは、こちらよりご覧いただけます。)
また、興味深い後日談として、「分断工作員」について指摘するTwitter/Facebook投稿をして以降、分断工作員とみられる方々のリプライやコメントがぱたりと止みました(笑)。分断工作員の存在を明らかにするというのは、たたかいの有効な手段かもしれません?!
さて、この投稿をした翌日、衝撃の動画が友人から送られてきました。場外乱闘#5でご紹介します!
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次の記事を読む:
▶ 場外乱闘#5:衝撃!公開討論の「動画」が公開されていた!!(⇒こちら)
前の記事を読む:
▶ 場外乱闘#3:Twitterに寄せられた、様々な賛否両論コメントの紹介(⇒こちら)