さようならUR
山形国際ドキュメンタリー映画祭2011
第1回スカパー!IDEHA賞受賞作品
耐震問題で揺れるUR(旧住宅公団)の団地
生活基盤の住居が足元から揺らぐ…
- ドキュメンタリー
- 日本
- 2011
- 73分
- 監督・撮影・編集
- 早川由美子
- 音楽
- Sage、岡ゆう子、hou
- 事業仕分け映像提供
- 株式会社ドワンゴ
- チラシ画
- 井上ヤスミチ
「さようならUR」製作の裏側に迫る!豪華特典映像付き
推薦の言葉
予告編
あらすじ
耐震性不足を理由に取り壊しが決まった、UR管理の高幡台団地73号棟(東京都日野市)。これまで、URから耐震改修を行うと知らされていた住民たちは、突然の方針転換に驚く。本当にこの建物は危ないの?直すことは出来ないの?と疑問を持った住民たちが、情報公開請求で資料を請求するも、構造設計図はすべて黒塗り、決定の過程も不透明なまま。一方で、URは取り壊しを前提にした住民の追い出しを進める。政府がUR団地の削減方針を決めたのと、時を同じくして発表された73号棟の取り壊し。この背景にあるのは団地の削減、民営化なのか?
高度成長期、大都市の住宅不足を解消する目的で発足したURの前身、日本住宅公団(1955年発足)。今日、その役割は終えたと言われる一方、公共住宅が十分に整備されているとは言えない日本で、URが実質的に担ってきた社会的な役割もある。現在、URは削減数値に基づいて団地の整理・縮小を進めている。しかしその思惑に反して、単なる“数値”では計り知れない暮らしと人生が、団地では育まれてきたのである。夢を抱き40年前に越してきた時の様子を語る女性、「この団地がふるさと」と話す青年、追い出しのストレスに悩まされる男性、退去をめぐる家庭内での意見の相違…。URの不誠実な対応に納得できず、退去期限を過ぎた今も73号棟で暮し続ける人々の生活と思いを、カメラは静かに映し出す。
退去を拒む7世帯の住民に対して、URは2011年1月に立ち退き訴訟を起こし、判断は司法の場へ持ち込まれることになった。耐震不足による建物の取り壊しが認められれば、その判決は耐震不足のあらゆる賃貸物件に及ぶかもしれない…。偶然この問題を知った監督が、団地に暮らす人々の生活に密着し、住宅問題にかかわる専門家たち、UR、国交省…と取材する中で、日本の公共住宅とその将来を考えていく、異色の“住宅”ドキュメンタリー映画。
ギャラリー
制作クレジット(敬称略)
映画祭上映履歴
国内
- 岡山映画祭(2012年)
- 住まいの貧困映画祭(2012年)
- ヒロシマ平和映画祭(2011年)
- 山形国際ドキュメンタリー映画祭(2011年)
- 新得空想の森映画祭(2011年)
- あいち国際女性映画祭(2011年)
- 福岡アジア映画祭(2011年)
海外
- ソウル・インディペンデント・ドキュメンタリー映画祭(2013年・韓国)
- ソウル国際女性映画祭(2012年・韓国)
- YUNFEST(2011年・中国)
放映・劇場公開履歴
- スカパー! シネマアワー THE PRIZE(2013年・スカパー!)
- シネ・ヌーヴォ(2012年・大阪)
関連情報(敬称略)
- 住まいの貧困に取り組むネットワーク
「住まいの貧困に取り組むネットワーク」の活動を紹介するブログです。