早いもので、7月も今日で終わりですね。今日は、私が今年行った梅干しづくりの全工程を、写真付きでご紹介します! 今年、これから「干す」予定の人、もしくは「来年は作りたい!」と思っている方は、ぜひ参考にして下さい♪
我が家の梅。毎年微妙に収穫量が変わりますが、今年は実が大きくて立派です(^^)
2本の梅の木から収穫した実は、3.6キロ分ありました♪ 梅の実の下にあるのは、同じ日に収穫した「ユスラウメ」です。
本当に立派な実だなぁ…! 梅の実は、「梅干し用」、「梅シロップ(梅ジュース)用」、「冷凍保存用」に分けました。
冷凍保存した梅は、梅シロップを追加で作るのに使います。
「梅シロップ」の仕込み。私の場合は、梅の実1.2キロ、氷砂糖1キロ、キビ砂糖200グラム、保存性を良くするためのリンゴ酢少々で作ります。シロップ作りに、普通の砂糖ではなく氷砂糖を使うのは、果実酒づくりと同様、不純物が少なくゆっくり溶ける氷砂糖の方が浸透圧が高く、より梅のエキスを引き出すことができるからです。
氷砂糖と梅の実を交互になるように重ね、1日1回かき混ぜます。部屋の温度などにもよりますが、大体3週間ぐらいでシロップが完成します。無糖の炭酸水で割って飲むと、疲れが吹き飛びますよ(^^)!
完成した梅シロップは、リンゴ酢などの空き瓶に移し替え、冷蔵庫で保管します。完成後もそのまま常温で保存しておくと、過発酵してしまいます。
「出がらし」となった梅の実は、圧力鍋で焼酎や赤ワインなどと煮て、甘露煮やジャムにしていただきます。種以外、全て使い尽くせます!
梅シロップの仕込みはあっという間に終わるのですが、さて、ここからはいよいよ「梅干し」作りです!
収穫した梅を水洗いした後、よく拭き、室内の風通しの良い場所で、数日間追熟させます。私は、のらぼう菜の種の隣に広げました。
実が少し黄色くなってきたらOKです。追熟しすぎると、今度は実が傷んだり、腐ってしまうので、ちょっと色づいた程度でやめた方が安全です。
この程度でOKです。
まず、梅を塩漬けにします。実の重量に対して、18%の塩(私は粗塩を使用)を用意します。
スーパーで売られている梅干しは、無菌状態の工場で作られたり、保存料が入っていたりして、塩分を6~8%まで下げることができますが、一般家庭では15%以下の塩分にすると、カビが発生すると言われています。
梅干しを作る容器を、ホワイトリカーや焼酎などで消毒してから、梅の実と塩を交互に入れていきます。最上部は、塩で蓋をするように覆うのがポイントです(梅の実が空気に触れていると、カビが生えるからです)。
梅と塩を入れたら、上から「重石」を載せます。私は重石を持っていないので、コーティングされていない紙皿の上に陶器の器を置いて、重石代わりにしました。ご存知の通り、梅は強力な酸を持っていますから、アルミやプラスチックなど、酸で腐食してしまう容器や重石は使わないようにします。
数日たつと、梅酢が上がってきます。梅の実が梅酢にすっぽりと漬かっていることが、カビ防止のために重要です。
…と、その頃、ちょうど近所の農産物直売所で、シーズン終わりの梅が安売りされているのに遭遇しました。1キロ300円! なので、追加でもう1キロ作ることにしました。
先に塩漬けした梅は、小さな保存容器に移し、購入した梅を塩漬けにします。梅酢が十分出た以降は、梅をかき混ぜる必要はありません。
7月に入ると、八百屋で赤シソが出回るようになります。梅1キロにつき、赤シソ1束を用意します。(私は2キロ漬けましたが、最初に1束しか購入しなかったので、後でもう1束買いました)。右のお皿に載っている数枚の赤シソは、庭で採れたものです(^^)
庭に自生するシソのほとんどは「青シソ」なので、「赤シソ」は貴重です(^^)
赤シソは枝から葉をもいで、よく水洗いします。
清潔な布巾やキッチンペーパーなどで、シソの水けを拭きとります。
シソ1束に対して、大さじ1杯の粗塩を振りかけ、よ~~く揉みこみます。
ギュウギュウ揉みこんでいると、やがて灰汁が出て、シソがしんなりしてきます。
シソをおむすびのようにギュッと固く絞り、灰汁を捨てます。
塩分をなるべく控えたいという人は、赤シソの灰汁抜きは1度でも良いかもしれませんが、昔ながらの梅干しづくりでは、2度灰汁抜きをします。
塩漬けしてある梅の重石を取り除き、灰汁抜きした赤シソを加えます。ポイントは、赤シソで蓋をするように置くこと。こうすることで、上部から全体が万遍なくきれいな赤色に染まっていきます。
数日も経つと、こんなきれいな赤色に!
ただし、これでは、梅の実に対して赤シソが足りないので、追加で赤シソを1束購入しました。一緒に、新生姜も買ってきました。
適当な厚さにスライスし、赤シソ梅酢の中に加えます。この、「生姜の赤シソ梅酢漬け」も、美味しいんですよ(^^)
早速色づき始めています(^^)
最後に、追加で購入した赤シソ1束を、塩もみ&灰汁抜きして加えます。
最上部は、赤シソでびっちり蓋をされているような状態。
このまま、土用干しをする時まで放置しておきます。塩分控えめで漬ける人は、時々瓶の状態を確認して、カビが生えていないかチェックしてください。
さて、梅干しづくりの最後の工程=「土用干し」ですが、これをいつ行うのかは、見極めが難しいところです。例年、「土用」付近は、まだ梅雨明けしていません。ですから、梅雨の合間に、晴れが3日ほど続く日を、天気予報と自分の予定をにらめっこしながら選ぶ…ということになります。
雨降りを心配するぐらいなら…と、梅雨が明けた8月に干す人もいますが、昔の人たちの知恵で、この「土用」のあたりは、1年で最も太陽光線が強いのだそうです。ですから、この土用の時期に干せば、梅干しは強力な太陽光によって殺菌され、超強力な梅干しになるのだそうです。その強力なパワーゆえ、昔は魔除けやお守りとして身につける武士もいたとか。また逆に、その強力なパワーが一家に災いをもたらすとして、梅干し作りを禁ずる家もあるとか…!
こういうの、胡散臭いという人もいるかもしれませんが(^^;)、要は、良くも悪くも、それぐらい強力なパワーが、昔ながらの土用干しをした梅干しには秘められていると、考えられてきたという証ではないかと思います。
さて、今年は6月に梅雨明けし、その後は日照り続きでしたので、雨で悩む必要は全くありませんでした。私は「土用」の日を挟んで3日間、土用干しを行うことにしました。
あまりの美しい姿に、しばし見とれてしまいます。
生姜は干さないので取り出します。
カラスなどに持っていかれないよう、ザルを被せて干します。
新生姜は、ガラスや陶器の容器に入れ、冷蔵庫で保管します。
「土用干し」とひと言で言っても、そのやり方は人それぞれで、三日三晩、外に出しっぱなしにする人もいれば、夜は屋内にしまう人もいます。雨が降ってくれば、もちろん屋内にしまう必要がありますが、私は今年の天気ならば、ずっと出しっぱなしで良いだろうと考えました。また、天候さえよければ、3日間もやる必要はないという人もいます。
日中は日の当たる場所に置き、夕方になったら軒下に移動します。乾いた菜箸でときどき梅をひっくり返して、万遍なく乾燥するようにします。これを三日三晩繰り返します。
土用干し1日目、夕方の状態。軒下に移動しました。
1日で、だいぶ乾燥が進んでいます。梅の表面に、塩が吹いています。
赤シソもすっかり乾燥。
一晩このまま軒下に置き、翌朝の状態。夜露が梅干しの表面に付着し、しっとりしています。
乾いた菜箸で梅の上下を返し、また日当たりのよい場所へ移動します。
土用干しDAY2!!
2日目夕方、また軒下に移動。
3日目朝。
梅干し作りが初めての人は、(一体どんな状態になるまで干せば良いんだろう?)と悩むかもしれません。3日間の土用干しを終えればそれでOKなのか、それとも場合によっては、「足りない」もしくは「やりすぎ」になってしまうこともあるのか、など。
ネットで検索すれば、昔ながらの手法での梅干し作りのサイトは、いくつもあります。「どんな状態になればOKなのか」という点については、「梅干しらしい表情になればOK」と書いてあったりして、笑ってしまいました。
「梅干しらしい表情」が目安ということで…(^^)!
今年は一度も雨が降ることなく、三日三晩の土用干しを終えました。写真は、四日目の朝の状態。
丸3日干して、だいぶ乾燥が進んでも、やはり朝には夜露に濡れて、表面はしっとりしています。しっとりした状態の梅干しが好みならば、この状態で完成とします。乾燥した状態がお好みの人は、4日目の昼まで干し、表面の水分を飛ばしてから、土用干しを終えます。
私は昨年、「しっとり」と「乾燥」の2種類を作り、自分は「しっとり」が好みだったので、今年は全て、4日目の朝で土用干しを終えることにしました。
室内に梅干しを移動し、保存容器に納めました。
今年の梅干し!!!
実の大きさ、固さ、色づき具合などで分別し、各容器に納めていきました。
こちらが一番「梅干らしい表情」かしら(^^)?!?!
以上、昔ながらの梅干し作り:収穫から土用干しまでの手順でした(^^)/