家庭菜園の隠れた人気野菜として、先日、アスパラガスの苗を購入して植えたと書きました(その時の記事はこちら)。
アスパラガスと並んで、「自分で作ると美味しい」と言われたおススメ野菜が「ゴボウ」でした。なので、今年はゴボウの栽培に挑戦することに!
ゴボウの栽培についてネットや本で調べると、大抵、「ゴボウを育てるには、“穴掘りの覚悟”が必要です」と書かれています。
土中に1メートルほど伸びるゴボウは、まず種まきの前に、畑を1メートルほどの深さまで掘り返し、根が素直に下に伸びるよう、土中の障害物(石や木の根)を取り除いておく必要があります。
また、収穫時も、ゴボウは引っ張るだけでは抜けないので、側面を1メートルほど掘って収穫する必要があります。
よく、抗議活動の現場で、抗議の座り込みをして、機動隊員らに「ゴボウ抜き」される…と言いますが、本当のゴボウ(野菜)は、機動隊の屈強な男性が3人がかりで引っ張っても、抜けないのです(^^;)
そんなわけで、普通に栽培しようとしたら、大変な労力と根気が必要とされるゴボウですが、家庭菜園の本には、穴掘りの手間を省く「裏技」が紹介されていました。
それは、「波板」を使ったゴボウの栽培。
波板の上に土を被せ、上部に種を蒔けば、ゴボウの根は波板に沿って下に長く伸びていく…このような仕組みです。
これなら良さそう!!
早速、家の敷地で波板を探しました。捜索を開始してすぐに、普段使わない物置に、古い波板が放置されているのを発見!
念のため大家さんにも確認したところ、「好きに使ってください」と言われました。サイズもちょうどよい感じ♪
だいぶ汚れているので、まずは庭で洗浄します。合成洗剤は使わず、石鹸水とスポンジで洗いました。
ゴボウの栽培のためには、波板の長さは90センチほどで良いと本に書いてありました(なので、最後の10センチほどは土中に埋まることになりますが、10センチ掘り返すのは楽勝)。長すぎる波板は、半分に裁断します。
波板はプラスチック製とはいえ、小屋などの屋根代わりに使われる素材でもあるので、結構頑丈。普通のハサミでは、裁断が難しそうな感じです。
固いものを切れるハサミがないか、今度は家の中を探します。
大工道具がごちゃっと入った棚。この辺にありそう??
予想が的中し、ステンレスまで裁断できるというハサミを発見! しかも、未開封の新品(^^)
ステンレスまで切れるなら、指なんて簡単に切れてしまいそう(> <) こういう道具は、注意して使わないと危険ですね!
強力なハサミを入手したので、マーキングのための油性マジックと物差しを持って、いざ裁断!
ハサミはごついので、使いやすいとは言えませんが、とにかく分厚いプラスチックでもスイスイ切れる!!
無事、希望のサイズに裁断が出来ました(^^)
さて、波板の準備が整ったので、今度はゴボウを栽培する場所を決めます。波板4枚で栽培するので、結構なスペースの確保が必要です。
日当たりが良く、なおかつ、生活や来客時の妨げにならない場所を選びます。
場所の目星をつけ、実際に波板を配置してみます。
畑にするスペースを、棒きれで囲います(棒切れをガイド線代わりにして耕していけば、知らず斜めに曲がることなく、きれいに耕せます)。
スペースが決まったら、波板を外し、早速耕していきます!
雑草の背丈は低いものの、いかにも根っこが丈夫そうなタイプのものばかり…。これは結構大変そうだぁ(> <)
鎌を使って、雑草を根から取り除いていきます。
しばらく作業をして、鎌ではあまりに時間がかかると気がつきました。なので、鍬(くわ)を使って、表面を10センチぐらい剥いでいく感じで作業することに変更。これで作業能率がぐんと上がりました(^^)
やはり根っこがすごいです(^^;)
ひたすらひたすら作業。
ほとんどのエリアは鍬で対応できましたが、太い木の根はツルハシで。
このツルハシ、ほんとに重いんですよ(> <)。こんなのを日常使いしていたら、必ず腰を痛めます(> <)。ツルハシの使用は、最小限にとどめましょう!!
頑固な木の根。
全体重をかけ、綱引きのように引っ張っても、どうしても抜けない最後の1本。こちらは、あきらめて剪定ばさみで切ることにしました。きっとゴボウの収穫も、こういう感覚なのでしょうね。
ゴボウ栽培のスペースが完成!!
剥がした雑草は山盛りに。この日の作業はここまで。
翌日。栽培のスペースを確保したら、今度はいよいよ波板を配置します。波板は、緩い傾斜で設置するので、土を寄せて枕程度の高さにします。写真では、傾斜が分かりにくいかもしれませんが…。
剥がした雑草は、傾斜の隙間を埋めるために使うことにしました。
波板を置いてみて、傾斜の具合や、途中で板が沈んだりしないかなどを確認し、微調整していきます。
OKならば、同じ要領で他の波板も設置していきます。
こんな感じで置けました(^^)
波板を設置したら、今度は土を乗せていきます。土は、細かければ細かいほど良いため、念入りに土ふるいをします。
私の畑は、とにかく大小の石だらけ(> <)
サラサラになった土を、波板に乗せていきます。
ゴボウの栽培に必要な土の厚さは、10センチ程度とのこと。かなりの量の土が必要です。
10センチの厚さで隅々まで土を行き渡らせたら、上に波板を乗せ、飛ばされないように石で押さえます。要は、波板同士で、10センチの厚さの土をサンドイッチにする、ということです。
カバー用の波板を被せたら、その上に土を盛っていきます。ここで使う土は、ゴボウの根の生育とは関係ないので、石や雑草などの障害物が入っていても構いません。種を蒔く最上部のスペースだけが飛び出している状態にします。
同様に、残り3つも作業をしていきます。それにしても、こんなに大量の土が必要だとは想像していませんでした。結局、3時間以上も土ふるいをして、終わる頃には腕がプルプルに…(> <)。二の腕を引き締めたい人におススメのダイエット法かも…!
大変ではありますが、サラサラの土を10センチ、きれいに盛るという作業は、個人的にはとても好きな作業だなとも思いました。映画監督になっていなかったら、私はきっと、左官屋とかケーキ屋になって、一日中、セメントや生クリームを均一に塗りたくる仕事をしていたのではないかと思います(^^)
半分までできた!
お昼休憩をはさんで、残り2つを作業していきます。
ついに全ての波板の設置が完了!! この後、編集作業をするとは到底想像できない、強烈な疲労感が襲ってきました(^^;)
別角度から撮影。
最後の工程は種まきです。野口種苗の通販で購入した、在来種のゴボウのタネ。
波板の最上部に、よく水を撒きます。
波板の「波」部分に合わせて、1粒ずつ種を差し込むように蒔きました。種を蒔く間隔が狭いように思われるかもしれませんが、最終的には生育の良いものを残して間引きするので、半分ぐらいになるのではないかと思います。
種まき完了! ゴボウのタネは「好光性」だそうなので、種の上にはごく薄く土を被せるにとどめます。好光性の種子は、土を深く被せると発芽しないそうです。逆に、「嫌光性」の種子(代表的なものはトウガラシやモロヘイヤなど)は、発芽まで新聞紙などで覆い、光を遮ります。
まだまだ知らないことだらけ。農業はほんと、奥が深いです!!
種まき後、薄く土を被せ、再度水やりをした状態。
ゴボウを植えたのは先週でしたが、その数日後からずっと雨が続きました(一昨日は雪も!ですね)。ゴボウは発芽までに10日ほどかかるそうで、土もごく薄く被せただけなので、強い雨で種が流されてしまわないよう、雨が降っている間はごみ袋を被せました。
昨日、久しぶりに雨が止んだので、ごみ袋を外してみると、土は流されておらず、無事でした。良かった(^^)
いやいや、「穴掘り」の苦労はないとはいえ、波板栽培でもゴボウは結構大変ですねぇ…!
でも、それらの手間を差し引いても、「絶対育てるべき!」と絶賛されるゴボウ。どんな風に育つのか、これから楽しみです(^^)。収穫は10~12月ごろの予定。
ゴボウの種まきはGW頃までできるそうなので、興味のある人は挑戦してみてください♪
以上、ゴボウの波板栽培についてでした。