これまで度々、「今年は在来種の栽培に挑戦する!」と書いてきましたが、在来種の栽培は全くの初心者です。なので、一部の野菜を在来種で育てているという方の畑を、訪問させてもらうことにしました。
貸農園で30年以上、無農薬・有機栽培をされている、吉澤さんの畑。45坪の畑を、一人でやっています。訪問したのは昨年末なので、真冬の時期でしたが、たくさんの野菜が育っていました。
ずっと種採りを続けているイチゴ。
他に、在来種で育てているのは、のらぼう菜、サトイモ、トウモロコシ、ニンニク、ナスなどだそうです。
私の場合、立派な冬野菜が収穫できたのは12月初め頃まででしたが、吉澤さんの畑では、年末でも野菜が青々と育っていました。うーーーん、何が違うんだろう?!
ネギ
ニンニク
白菜
チンゲン菜(カワイイ!!)
ほうれん草
虫に食われやすいタイプの葉物類は、きちんと防虫ネットを被せているので、大きく育っています。立派な野菜を育てている人は、やっぱりこういう「手間」をかけているのだなぁ!
手作り堆肥。この良しあしでも、作物の成長に差がでそう!
全てが順調に回っているように見える吉澤さんの畑ですが、モグラや野ネズミの被害に悩まされているそうです。
モグラ除けのための風車を、ペットボトルで手作りしてみましたが(ガラガラと回る振動が土中に伝わり、モグラが嫌がるという仕組み)、モグラはこの風車の真下を普通に走り回っているそうです(> <)
人参は、半分以上が野ネズミの被害に遭ってしまったとか。一見、大丈夫そうですが…?
掘り返してみると…
なんと!
人参の薄い表皮だけを残して、中身が全て食べられてしまっています…!!!
吉澤さんは、「これじゃまるで、動物のエサを作ってあげてるようなもの」と言っていました。確かに…(> <)
以前、畑で4匹の猫を飼っているおばあさんがいたころは、モグラや野ネズミの被害はほとんどなかったそうです。しかし、おばあさんが亡くなり、周囲の人たちが猫にエサをやり続けていましたが、ある日突然4匹のうちの2匹が同時にいなくなりました。畑の人たちは、「誰かに毒殺されてしまったのかも」と心配し、残る2匹は畑の人たちが引き取り、家で飼うことにしたそうです。それ以降、モグラや野ネズミの被害が出るようになった、と…。
真相はわかりませんが、猫がいることでモグラ・野ネズミの被害を防ぐというのは、あるんだろうなぁと思います。かく言う私の庭も、近所の飼い猫が自分の縄張りとして歩き回るので、野ネズミらしき被害はまだありません。(一度、野ネズミの死体が玄関に置いてあったこともありました。猫が捕まえて、見せるために置いたのだと思います。わたし的には、処理に困りましたが^^;)
また、吉澤さんの畑は45坪なのですが、ご本人的には「広すぎる」と感じているそうです。しかし、高齢化で貸農園の借り手が減り、放置されたままの畑が広がっているのを見かねて、じわじわと45坪にまで敷地を広げたのだそうです。
こういう事情は、たぶん日本全国で広がっているでしょうね。
でも、畑を借りたい人にとっては、チャンスですよ(^^)!!
ちなみに、吉澤さんの畑の隣には、雑然とした畑が。
聞くと、こちらはブラジル移民の方の畑なのだそうです。このときは1か月の里帰り中で、そのかん畑の管理ができないとのこと。それは仕方のない事情ですが、他の人たちからは「雑草をきちんと抜いてほしい」などの苦情が寄せられるそうです。確かに、自分の畑をいくらきれいに保っても、隣の畑から雑草の種が飛んできては、苦労が水の泡になってしまいますよね。
私の知り合いでも、畑を借りたことがあるという若い世代の人は実は少なくないのですが、畑をやめてしまう原因の1つが「雑草を取る時間がなく、苦情が来てやめた」というものでした。
リタイアした高齢者や、私のようなプータローなら、毎日畑仕事が出来ますが、働きながら…の人たちは、雑草取りなんて週末ぐらいしかできません。
このあたり、もう少し何か上手な運用方法(共存方法?)があれば、働き盛りの世代でも畑を始めやすくなるのかもしれませんよね。「雑草を気にしない人たち専用の貸農園」とか(^^)。
ところで、私は常々、「育てる作物のチョイスに人柄が出る」と考えているのですが、この、ブラジルの方の畑を見て、作物には「お国柄」も出るんだなと思いました。
この「棒」のようなものは、タピオカなのだそうです(^^)
こちらはケール(青汁で知られる野菜)。
畑を借りて、タピオカとケールなんて、私だったらまず思いつかないですね(^^)!
お土産に、吉澤さんの畑の野菜を頂くことに。
ネギを収穫。
カブや水菜も頂きました。
わ~い、こんなに(^^)!
畑を見学させてもらった後は、吉澤さんのお宅にお邪魔し、在来種の種をおすそ分けしてもらいました。
吉澤さんの種。
イタリアンパセリ。房から種をしごき落とします。
なんの種か分からなくなってしまうので、種ごとに封筒に入れ、蒔く時期についても書いておきます。
まるでオブジェのような美しさ! トウモロコシとナス。
オクラの種を鞘から出します。
ちなみに、こちらは私から吉澤さんへの小さなおすそ分け。手作りのキムチ、種採りをしたトゥルシー(ホーリーバジル)、カラスウリの種です。
吉澤さんの弟さんも畑をされているそうで、お互いに種を交換しあったりするそうです。在来種の種採りをするにあたって、タネ交換の仲間がいるということはとても大切なこと。自分の野菜が万一、天候不順や害虫でダメになってしまっても、他の人が他の場所で育てていたら、その種を分けてもらうことが出来るからです。
私も自分で採れるタネを増やしていきたいですし、タネを交換する仲間が増えたら良いな!と思います(^^)
たくさんのタネとお野菜を頂いて帰宅しました。
なんという贅沢!
ミントの苗。とても香りの強い品種。
サヤインゲン
ゴーヤ
のらぼう菜
イタリアンパセリ
トウモロコシとナス
オクラ
エンドウ豆
野菜を沢山いただいたので、翌日は、野菜たっぷりペペロンチーノを作ってみました。
1食分でこの野菜の量!!(あ、ちなみに股割れした人参は私の畑で採れたものです^^;)
トッピングは、自家製の柚子胡椒♪(黄色柚子と赤唐辛子、塩で作ったもの)
私が作る野菜よりも、さらに味が濃くて美味しかったです!!
長ネギも沢山いただいたので、こちらは一部を干すことに。
完成! 乾燥剤を入れて冷蔵庫に保管。
こんなに沢山の在来種のタネを頂いて、「うれしい悲鳴」という感じです。ちゃんと育てられるのかなぁ…。でも、いただきものの種こそ、特に大切に育てて、種採りしたいよなぁ…!
編集作業との両立を頑張らねば…(> <)
以上、在来種のタネのおすそ分けについてでした。