先日、とあるメーリングリストで、埼玉県にある国立女性教育会館(NWEC)が、大幅な機能縮小と研修棟等の建物取り壊しの危機にある、この流れに対抗するアクションに賛同してほしいと、瀧章次(たき・あきつぐ)さんが呼びかけているのを拝見しました。
国立女性教育会館は、私も埼玉に住んでいたころ何度も訪問したことがありますし、私の『インド日記』を上映していただいた場所でもあります。国立ならではの、施設とスタッフの充実ぶりに感心し、頼もしく思ったものでした。
1か月ほど前、埼玉で親しくしていた方から久しぶりに連絡をいただき、国立女性教育会館が縮小してしまうらしいと聞きました。しかし、詳細は良くわからなかったので、この瀧さんの投稿で、詳しい内容を知ることが出来ました。私のブログとSNSで紹介しても良いとのことでしたので、瀧さんからの事務局作成案内文と声明文を、以下にご紹介します。
賛同いただける方は、ぜひフォームより団体または個人の賛同をよろしくお願いします。
【案内文】
国立女性教育会館の研修棟・宿泊棟の撤去・廃止に反対する声明に団体賛同、個人賛同をお願いします。
埼玉県嵐山町の国立女性教育会館、ヌエックの宿泊棟(約350人定員)および研修棟などをつぶして消滅させるという計画が進んでいます。来年にも国会上程という状況です。
内閣府、文科省、ヌエックは「機能強化」の宣伝をしていますが、これは事実上ジェンダー政策への重大な一撃ではないでしょうか。
https://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/wg-nwec/pdf/honbun.pdf
「国立女性教育会館の研修棟・宿泊棟の存続を求める市民ネットワーク」通称ヌエネットは、この流れに対抗するアクションを起こします。以下の声明文に団体賛同、個人賛同のご協力をお願いします。(声明文は登録フォームからも読めます)
今後、議員や内閣府などに働きかけていきます。
下記の登録フォームから団体賛同、個人賛同を選んで入力お願いします。第1次締切は当面、来年の1月15日です。お手数ですが、必ず最下段までスクロールして「送信」ボタンを押してください。ご協力よろしくお願いします。
連絡先:nwenet.forum*gmail.com(*を@に変換) 連絡担当:西山千恵子 瀧章次
【呼びかけ人】敬称略・五十音順(随時更新)
浅倉むつ子(早稲田大学名誉教授)/上野千鶴子(NPO法人ウィメンズアクションネットワーク (WAN) 理事長)/内海愛子(新時代アジアピースアカデミー(NPA))/大橋由香子(ライター・編集者)/戒能民江(お茶の水女子大学名誉教授)/黒岩秩子(社会福祉法人桐鈴会理事長・元参議院議員)/清水さつき(ふぇみん)/堂本暁子(元千葉県知事)/樋口恵子(評論家)/船橋邦子(北京JAC(世界女性会議ロビイングネットワーク)代表)/細谷実(関東学院大学)/山下泰子(文京学院大学名誉教授)
個人賛同用フォーム
https://forms.gle/ubeShRe5PbKAgc2C7
団体賛同用フォーム
https://forms.gle/sSyNgE8GTqYQG24Z9
【声明文】
「国立女性教育会館の研修棟・宿泊棟の撤去・廃止に反対する声明」
2024年12月21日
国立女性教育会館の研修棟・宿泊棟の存続を求める市民ネットワーク(通称ヌエネット)
国立女性教育会館は、本館を除く研修施設、宿泊施設等が、来年度以降、撤去され消滅する危機にあります。施設=建物が壊されたら取り返しがつきません。この計画は政府の男女共同参画推進の「機能強化」の名の下で進行し、来年にも法案が提出されようという局面です。
国立女性教育会館(ヌエック)は女性教育の振興を目的に研修、交流、情報、調査研究などの機能をもつ国内唯一の施設として1977年、埼玉県嵐山町に設立されました。定員約350人の宿泊棟、1500人が利用できる研修棟があり、国際会議対応の大会議室、貴重な女性アーカイブセンターや図書資料約15万冊の女性教育情報センター等を擁する価値ある施設です。
ヌエックの各種事業の中でも男女共同参画推進フォーラム等の開催を通じては、全国から地域の女性団体・研究者を含む市民が多数参加、自主講座を運営したり、活動成果を報告し交流し合い、豊富な実績を重ねています。宿泊・対面ならではの生き生きした意見交換・情報交流等が女性をエンパワーし、連帯感を生み、全国各地で活動する女性たちやネットワークを育ててきました。こうしたかけがえのない機能を担ってきたのがこれまでのヌエックだったのです。
しかし、年々ヌエックの予算削減が続く中、2024年7月30日、内閣府・文部科学省・ヌエックは、「独立行政法人国立女性教育会館の機能強化による男女共同参画の中核的組織の整備に向けて」を公表し「機能強化」を強調、施設中心から機能中心への転換として、オンライン研修等を示唆し、一方、「老朽化した宿泊棟、研修棟、体育施設等の施設については、令和12年度までを目途に撤去すべく、新法人設立後速やかに関連工事に着手」を目指すとしました。
既にヌエックのホームページでは来年4月1日以降の宿泊施設の利用提供は行わない旨が掲示されています。つまり、ヌエックならではの全国規模の女性たちの対面交流・繋がり作り、宿泊研修の場が失われるということです。施設廃止は、事実上の機能廃止です。
これまで各地で男女共同参画関連施設が縮小、後退、閉鎖に追い込まれています。この度のヌエックの研修棟・宿泊棟閉鎖の計画はこの動きに拍車をかけるモデルにもなりかねません。
女性、性的マイノリティ、車いすユーザーなどを含む、多様な人々が安心して学習・宿泊できる貴重な施設として、ヌエックは今の日本では必要です。災害時の避難・救援拠点、女性支援新法への対応などヌエックの今後の利活用に目を向けてよいのではないでしょうか。安全・安心な環境での宿泊学習の場がなくなることに既に女性利用者からも不安の声が上がっています。
一方、ヌエックの研修棟・宿泊棟の撤去・廃止という重大問題は広く周知されておらずジェンダー・女性学研究者、女性団体の間ですら「初耳」という声が少なくありません。多くの利用者・潜在的利用者の声を聞かずに進められてきたこの計画に対し私たちは危惧を覚えます。
私たちは内閣府・文部科学省・国立女性教育会館に対し、ヌエックの研修棟・宿泊棟の存続・更新を求めます。
ご案内は以上です。
※2025年1月10日追記
上記声明を出された「国立女性教育会館の研修棟・宿泊棟の存続を求める市民ネットワーク(通称ヌエネット)」のホームページが開設されました。また、2月5日(水)15時から、衆議院第二議員会館にて院内集会を開催するそうです。
「国立女性教育会館を壊さないで! 研修棟、宿泊棟は存続を」(仮)
日時:2025年2月5日(水)15時~16時30分
会場:衆議院第二議員会館8号室
申込フォーム:https://forms.gle/V48qgBeNhurbkiGs8
関心のある方は、ぜひご参加ください。