台風・熱帯低気圧一過の9月2日。国会議事堂周辺は快晴。
この日は、函館市による大間原発建設差し止め裁判の、第32回公判が東京地裁でありました。公判後、有志による報告集会と後藤政志さんによる講演が、参議院議員会館・講堂で行われました。その様子を写真と映像でレポートします。
集会は16:30~でしたが、設営のため13時過ぎに会場に到着。
「久しぶりに予約が取れた」という講堂は、300人は収容できそうな大きな会場です。コロナ禍以降、”密”を避けるために広い会場のニーズが高まり、なかなか講堂を予約することができなかったそうです。
講演者の後藤さんがまだ来られていなかったので、山本さんと議員会館地下の食堂へ。結構立派な食堂です!
麻婆豆腐定食。
お昼ご飯を食べて講堂に戻り、会場の設営作業の続きをやりました。主催メンバーの一人で、「梅干しづくり」仲間である方より、塩分8%の自家製梅干しをいただきました!
梅干しづくりをやったことがない人からすれば、「塩分8%」と聞いても(へぇ~)としか思わないかもしれません。実際、最近の市販の梅干しは塩分摂取を気にする人向けに8%程度のものが多いです。
しかし!
塩分濃度を下げるということは、そのぶん雑菌・カビの繁殖リスクが増すので、滅菌・消毒された工場のような環境下でない限り、とても難しいのです! 通常、一般家庭で作る梅干しの塩分は「18%」が基本です。(私の梅干しづくりについてのブログ記事はこちら)。
ですから、梅干しの塩分を18%⇒8%にするというのは、レスリングや柔道に例えるなら「2階級落とす」ぐらいの壮絶な減量ではないかと思うのです(勝手な想像w)。
その方の場合は、塩分を減らす代わりに酢を入れたり、焼酎を入れたり…の試行錯誤をして、梅が空気に触れない(=カビない)ようにしているとのことでした。梅干しづくりは奥が深い!!!
さて、14時すぎには会場の設営作業はほぼ終わりました。会場の一角には、函館の野村保子さんが製作された「原発のない未来を 子どもたちへ」パネルが掲示されていました。
函館市のこの裁判には、私はここ数年ほぼ参加し、撮影をしているのですが、知り合いからは「なぜ函館市が訴えているの?」とよく聞かれます。原子力発電所の建設差し止め裁判と言ったら、まず立地自治体が訴えを起こす…と思いますよね?
でも以下の図を見れば、なぜ立地自治体の青森ではなく、函館市が原告となっているのかが一目瞭然です。地図に重ねたのは、福島第一原発から流れた放射能汚染マップです。下北半島から道南へ風が吹けば、それは函館市を直撃します…。
福島原発事故の被害を見れば当たり前ですが、原発事故がひとたび起これば、その被害は立地自治体にとどまりません。新たな原子力発電所など、もうどこにも作ってはいけないと思います。
16:30になり、裁判を終えた弁護団が到着し、中野宏典弁護士から裁判報告がありました。
中野弁護士の報告と質疑応答の映像は、以下よりご覧いただけます(約40分)。
映像の中で、中野弁護士がお話しされていた7月5日の福岡高裁での報告記事というのは、以下よりネットで読むことができます。
規制庁職員トンデモ発言「原発と一般施設は同じ」 川内原発設置変更許可処分取消訴訟
(週刊金曜日オンライン 2024年8月12日配信)
ちなみに、次回、次々回の裁判期日は以下です。引き続きご注目をお願いします。
次回期日:2025年2月26日(水)15:00~ 103号法廷
次々回期日:2025年 9月 2日(火)15:00~ 103号法廷
続いて、元東芝・原子炉格納容器設計者であり、原子力市民委員会・委員の後藤政志さんの講演がありました。タイトルは、「大間原発は欠陥原発! 直ちに建設中止を! ~能登半島地震から分かった日本の全原発の過酷事故対策の欠陥」です。
後藤さんは、原子炉の元設計者という立場から、大間で建設されようとしている原子炉の構造上の欠陥や、原子力規制委員会の基準のでたらめさを分かりやすく説明されました。講演と質疑応答の映像は以下よりご覧いただけます。ぜひご覧ください(約69分)。
後藤さんが講演で使用されたパワーポイントのPDF版は、こちらよりダウンロードが可能です(ギガファイル便、ダウンロード期限:2024年12月12日)。
PDFは全73ページです。64ページ目は真っ黒の画面になっていますが、講演進行の都合上、あえてそうしてあるそうです。
以上、函館市大間原発建設差し止め裁判、報告集会と後藤政志さん講演のレポートでした!