講座の振り返りの最後に、今回の講座に受講者兼スタッフとして参加してくださった、しらいわよしこさんによる講座レポートを紹介します。
シビルでは、市民講座を開催するごとに、スタッフもしくは受講者による、講座レポートを作成しています。出来上がった講座レポートは、シビルニュースで会員に送付したり、助成金の報告書としても使われます。
以下にご紹介します:
2023年シビル市民講座レポート
映画監督・早川由美子のワークショップ
あなたもできる!~3分間映像講座~
撮影&編集の基礎から、インターネットでの動画公開までをマスター!
期間 2023年5月13日(土)~2023年8月19日(土)
時間 14:00~17:00
会場 柴中会公会堂(立川市柴崎町3-9-11)
第1回(5月13日)<撮影の基礎1>
オリエンテーション、カメラ・三脚の使い方、様々な撮影方法
参加者数:14名
第2回(5月27日)<撮影の基礎2>
多様な映像表現を観る&知る、撮影時の注意点、トラブルの回避について考える
参加者数:14名
第3回(6月10日)<撮影の基礎3>
企画の立て方、構成の考え方、取材やインタビューについて
参加者数:13名
第4回(6月24日)<編集の基礎1>
編集ソフトの使い方(前編)、スライドショーの編集
参加者数:13名
第5回(7月8日)<撮影の基礎2>
編集ソフトの使い方(後編)、著作権などの注意、ショートムービーの作成
参加者数:13名
第6回(7月22日)<編集作業1>
課題作品の完成に向けた編集作業
参加者数:8名
第7回(8月5日)<編集作業2>
課題作品の完成に向けた編集作業(仕上げ)、上映の様々な形態、ネットでの公開方法
参加者数:11名
第8回(8月19日)<完成披露上映会・交流会>
課題作品の完成披露上映会・講評、交流会
参加者数:12名(ゲストを除く)
〇第1回 5月13日<撮影の基礎1>
~前半~ オリエンテーション、講師自己紹介/受講者自己紹介
早川由美子監督の映像との出会い、これまでの仕事の話を伺う。原点は後に排除アート(アートなどではないが)と呼ばれるようになった”寝られないベンチ”や”居られないスペース”に対する「これでいいのか?」という思いを書いた記事。その記事から取材を受けて映像になったニュースを見て、映像の可能性を感じたとのこと。なんの為に、映像を撮るのか? 受講生も、各自この講座に申し込んだ思いを語る。
~後半~
撮影の基礎で、動画ならではの注意点を学ぶ。写真と違うところは、音が大事ということ。インタビューを撮るときは、ザワザワした所は避ける、編集を考えてのりしろを作る、など注意しながら、グループに分かれてお互いにインタビューをし合う。
〇第2回 5月27日<撮影の基礎2>
~前半~表現の自由は今
政治家が放送法の解釈を変え圧力をかけたり、記者クラブのあり方など日本は規制が厳しい。私たち市民の側の報道が少ない。スポンサーに縛られない報道の必要性を様々な映像作品を通して学ぶ。
~後半~
撮影時に気を付けること。公道は撮影OK、公務中の公務員の肖像権がないことなど、巨大企業の潜入ルポなど公益性の高い報道についても学ぶ。
〇第3回 6月10日<撮影の基礎3>
~前半~
実践の為に、編集ソフトのダウンロードをして、まずは写真でスライドショーの編集。音源を著作権フリーのサイトからダウンロードして、写真を2~3枚用意し、これは宿題に。企画を立て、構成を考え、取材の申し込み、など、必要な手順を学ぶ。
~後半~
取材・インタビューについて。インタビューではとにかく、相手の話しをジャッジしない・議論しない。自分の意見と異なっても、ひたすら聞く。その人の意見をどんどん引き出す。その際気を付けることは、自分の相槌が出来るだけ入らないように、目や仕草で聞いているという姿勢を見せる。
今回、ワークショップの課題作品については、早川由美子監督が事前に取材申し込み、撮影許可等、様々連絡を取って頂いた。取材したい場所を『高麗博物館』『シビル』『kosaten』の三か所から選ぶ。グループでの取材なので、1.インタビューする人、2.スイッチを押す人、3.タイムキーパーと担当を交代しながら5分のインタビューをする。その内容も考えておく。それぞれ相手方の都合のいい日程で取材することに。
〇第4回 6月24日<編集の基礎1>
~前半~
取材の報告:どんなもの、どんな人を撮影したか? インタビューはどうだったか? うまく撮影出来たことは何? 予想したことと違ったこと、難しかった点? それはどのように克服・回避出来ると思うか?
編集の基本的な考え方:編集の大前提は、そのことについて全く知らない人が見るということ。主な構成のパターンは、1.時系列、2.大きなものから小さなものへ(全体⇒個別へ)、3.小さなものから大きなものへ(個別を並べることで全体へ)。
編集ソフト『Shotcut』を使った編集のデモンストレーション。
~後半~
「技術」だけではない編集について、これまでに起こった事例を基に考えた。ひどすぎる事例として強要問題など。また、著作権についても著作権保護期間改正など。
〇第5回 7月8日<編集の基礎2>
編集ソフト『Shotcut』を使った編集についての、早川由美子監督作成資料を基に編集作業を進めていく。
初めてのソフトの作業を覚えることは大変だけれど、実は作業の大半は紙の上でやるという。なにが撮れたのか? 絶対使いたいのはどれか? フェアでありたいがフェアであるとはどういうことか? すでに社会に格差がある中で、より小さな声を大きく取り上げてゆきたい。
第6回 7月22日<編集作業1>
ひたすら編集作業!
第7回 8月5日<編集作業2>
作品の取り扱いについて、発表の場や、情報をどこまで出すか?などの確認。もし発表する場合には、映っている方に対して再度、公開の許可をもらう。これら連絡も早川由美子監督がしてくださる。
次回(8月19日)が作品発表の為、必死の編集作業が続く。慣れないソフト相手に四苦八苦する。早川由美子監督は引っ張りダコ。あちこちからの「先生」コールに丁寧に答えてくださる。
また、希望者には臨時補講(8月12日12:00~18:00)をシビルの教室をお借りしてくださる。
〇第8回 8月19日<完成披露上映会・交流会>
完成披露上映会には、取材先の『シビル』からと『kosaten』から観に来てくださる。(『高麗博物館』はイベントと重なり来られず)
ひとりひとりの作品上映にたいして、早川由美子監督の丁寧な講評をいただく。
今後の作品作りの為に、いくつか紹介すると
〇書類がある場合はスキャンする
〇インタビューは自分の声をいれない
〇写真を入れる場合は、横向きで撮っておいたほうがよい
〇歩きながらの撮影はグラグラするので、展示物などは三脚を使って撮る
取材された方の感想も聞くことが出来ました。作品を観ていただけて良かったです。
【受講者アンケート】
〇落ちこぼれの私を忍耐強く、やさしく、本当に丁寧に教えてくださいました。人に見せるものを作るということは、いろいろな条件を考慮して、調整し、連絡を取り、本当に沢山のことを経ているのだと、少しですが知ることが出来ました。早川先生は本当にすごいんだなと感じ入っています。
〇講座の内容、進め方はもちろんのこと、フォローとしての動画視聴が可能だったり、内容を深めるための別枠のワークショップがあったりと、分かりやすく充実した講座でした。
〇実際に作品を作成するので、勉強になり、面白かったです。
〇「とても満足」にしたかったのですが、充分理解して使いこなせるところまでいきませんでしたので、「満足」にしました。開催日以外にしてもらった種々の見学も有意義で楽しく、受講生の方とも知り合う機会になりとてもよかったです。
〇ひととおりビデオ作成を学べたこと。特に編集は勉強をしたことないので、大変役に立ちました。二度としたくないかも(笑)
〇講師が懇切丁寧、説明マニュアル・動画が懇切丁寧、実習が多いと尚良かった。
〇参加出来なかった時は、映像の配信があり助かりました。
〇内容が盛りだくさんだったこと。『Shotcut』(編集ソフト)の操作が難しかった。アクセスの資料は豊富でありがたかった(しかしなかなかたどりつけず)。
〇サポートが充実していて安心感がありました。
〇講座はとても丁寧に教えていただきましたが、一人でこれから出来るのかというと、まだ疑問な状態です。
(編集:しらいわよしこ 2023年9月22日)
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講座レポートは以上です。レポートや、受講された方々のアンケートは、今後の講座内容・運営に生かしていきたいと思っています。しらいわさん、どうもありがとうございました!
気が付いたら長大なレポとなりましたが、以上「2023年映像ワークショップ振り返り」でした!