2022年9月27日、安倍晋三元首相の国葬が、国民の多くの反対の声を押し切って強行されました。
国葬当日、全国各地で反対集会やデモが行われましたが、私は日比谷公園で開催された集会・デモを取材しました。
デモ出発前の様子。警官たちが壁のように立ちはだかり、出発時刻になっても動けない状態に。
海外メディアを含め、多くの報道陣が取材に来ていました。
出発時間を10分近く過ぎて、やっとデモ隊が出発。
最前列の取材の様子。最前列を真正面で撮影するには、後ずさりながら撮る必要がありますが、後ろも気にしながら歩かないと転んで危ないですよね(> <)
デモ隊の最後尾のほう。私は普段、デモは「取材」するばかりで「参加」することはほとんどありませんが、もし参加する機会があれば、のんびりした最後尾のほうを歩きたいです(^^)
さて、私はデモの様子を撮影しつつも、周辺の音にもじっと耳を澄ませていました。
というのも、先日、9月11日の経産省前テントひろば・開始丸11年の集会で、福島県浪江町の「希望の牧場・よしざわ」吉沢正巳さんが、スピーチの際に「国葬の日は街宣カーで国会周辺を走り回る。そのための道路使用許可も取った」と発言されていたからです。
吉沢さんと言えば、「決死救命・団結!」と書かれた横断幕と、牛のオブジェを乗せた「カウゴジラ」号。
私は国葬の日に、吉沢さんのカウゴジラ号に同乗取材をさせてもらえないかとお願いしました。
国葬当日は、13時に日比谷公園に来られる予定とのことだったので、時間に間に合うように現地に向かったのですが、その直前にカウゴジラ号が接触事故に遭い、日比谷公園での待ち合わせが出来ませんでした。
事故処理が終わり次第向かう…とのことでしたので、私はカウゴジラ号を見かけたら合流させてもらうことになり、吉沢さんの街宣の声がいつ聞こえてくるかと、注意して聞いていました。
デモ出発後30分ほどたったころ、「国葬反対! 国葬糾弾! 国葬なんかやめちまえ!!」と叫ぶ、大音量の声が近づいてきました。
カウゴジラ号が、やっとデモ隊の近くまで追いついたのです!
私はカウゴジラ号に走り寄り、乗せてもらおうとしましたが、カウゴジラ号は徐行運転のまま…
徐行とはいえ、走りを止めない軽バン車両の、後部座席のスライドドアを開け、荷物が満載の車内に乗り込むというのが、こんなに大変なことだとは💦💦!!
自分の身体の重さ、無駄なぜい肉、筋肉量のなさ等々、恨めしく思いました。
走っている車に飛び乗れるぐらいの身体にならないとですね!!??
やっとの思いで乗り込んだ、カウゴジラ号の後部座席から吉沢さんの街宣を撮影!
しばらくして助手席と変わってもらいました(この時も、カウゴジラ号は停車しなかったので、後部座席から乗り込んで移動しました^^;)。…吉沢さんの集中力、すさまじいです!! よく、スポーツ選手が「ゾーンに入る」という言葉を使いますが、まさにその状態なのかも…と思いました。
運転しながら街宣ができるよう、マイクが絶妙な位置に設置されています!
さて、目指すは14時からの国会正門前抗議集会ですが、あちこちの道路がゲートで封鎖され、迂回をさせられてばかりでした。
何度も迂回をさせられながら、だんだんと(おかしいな)と思ってきました。なぜなら、迂回をさせられるのは、カウゴジラ号だけなのです。他の一般車両は、大型トラックやコンクリートミキサー車のような車両まで含めて、国会正門前に通じるゲートをくぐり抜けていくのです!
先にも書きましたが、吉沢さんはこの日のために都内全域で街宣活動ができる、道路使用許可証を取得していました。その許可証をフロントガラスに掲示していても、ゲートを開けてもらえないのです…。
溜池の交差点に差し掛かった時、またもカウゴジラ号だけ迂回せよと命じられました。
でも、今度は吉沢さんは迂回せず「国会正門前に行きたいのです」と粘りました。
集まってくる警官たち。「皆さんにご協力をお願いしている」と。(でも、迂回させられているのはカウゴジラ号だけですが!)
「道路使用許可証を持っている」「街宣はしない、スイッチを切る」「街宣しないなら一般車両と同じじゃないか」等々言ってみるも、「ご協力をお願いします」と…。
そのうち、交差点が渋滞し始めたため、吉沢さんはやむなくゲート手前の道路端にカウゴジラ号を停め、ゲートが開くまでそこで待機しながら街宣を行うことにしました。
国葬が全く国民に支持されていないこと、海外の要人もほとんどキャンセルしたみすぼらしい葬式だということ、統一教会との癒着etc、信号待ちの多数の車に向かって、吉沢節がさく裂!
…と、さっきまで「通せない」と言っていた警官が近寄ってきて、「まっすぐ行っていいですよ」と?!?!
一瞬、意味が分かりませんでしたが、ここで停まって街宣をされるのは想定外で困るのか、他の車と同じようにゲートを通って良いということだったのでした!
(じゃぁさっきまでの通せんぼはなんだったのか)という気持ちはありつつも、一同、喜んでゲートを通過しました!!
国会正門前に一番近い道路。こちらは通してもらえなかったので、最徐行しながら集会参加者たちにアピールをしました。
道路端に停車し、吉沢さんは演説を始めました。これまでゲートに通せんぼをされてばかりだったので、こうして国会正門前まで近づき、車の上に登って演説をしているというのが、(本来なら当たり前の権利なのに)とても貴重なことに思えました。
牛のオブジェ。
演説が終わり、撤収作業。「一揆」の「揆」という字は「天を突く」という意味なのだそうです。
撤収作業が終わり、吉沢さんと記念写真を撮っていただきました。(撮影:植田秀蔵さん)
帰るころにはもうすっかり日が暮れていました。
高速道路が閉鎖されていたので、一般道はかなり渋滞していました。
半日以上、運転しながらずっと街宣しっぱなし… お疲れさまでした!
「希望の牧場・よしざわ」吉沢正巳さんの国葬反対街宣の様子を、約30分の映像にまとめました。ぜひご覧ください!!
「希望の牧場」については、以下の短編映像「希望の道を~希望の牧場・ふくしま」(約7分)をご覧ください。美しい映像が、原発の存在や被曝牛を育てる意味を私たちに問いかけます。
以上、国葬反対!福島県浪江町「希望の牧場・よしざわ」吉沢正巳さん、取材レポートでした!