3月19日&20日、「プロ市民」人権賞の表彰式に参加するため、福岡に行ってきました。
思えば、コロナが始まって以降、飛行機に乗るのはほぼ2年ぶりです。2020年2月、宮崎県の日向新しき村を訪ね、『日々新~早春の日向新しき村』の取材・撮影をしたとき以来でした。
久しぶりの羽田空港。3連休もあってか、まあまあ人がいました。
定刻通りの飛行機に乗り、無事福岡へ。表彰式会場の最寄り駅で、人権賞スタッフの木村さんと待ち合わせし、お昼ご飯を食べてから会場へ。
そもそも、”表彰式”ってどういうものなんだろう?? 普段、”表彰”される機会なんてほとんどないので、具体的なイメージが湧かなかったのですが、出迎えてくださった人権賞スタッフの方々の衣装(!)をみて、(これはただごとではない)と確信したのでした(^^)
さて、開始時刻となり、表彰式が始まりました。
まず、運営委員のいのうえしんぢさんから、「プロ市民」人権賞がどういう賞なのかという紹介があり、続いて、選考委員の小倉利丸さんより、今回の受賞理由についての説明がありました。(運営委員、選考委員と呼び合っていましたが、両者にはそんなに違いがないみたいです?!)
こうして賞をくださるだけでも十分うれしいことですが、なんと、そのほかにも豪華な賞品やうれしいプレゼントを沢山いただきました!
オリジナルTシャツ、賞金に加え、花束も!
福岡アジア映画祭スタッフの藤原さんからも、サプライズの花束をいただきました。そのほか、人権賞のサポーターの方からの一升瓶の日本酒も! ありがとうございます♪♪
この「プロ市民」人権賞は、受賞した団体または個人の活動をイメージしたオリジナルTシャツの製作に加え、活動紹介映像を作るというのも大きな特色なのだそうです。
Tシャツ贈呈後は、今年1月に東京で撮影して作っていただいた、私の活動紹介映像の上映でした。
私は、常に画面に自分を映り込ませて撮影する、マイケル・ムーア監督や堀潤さんなどとは違い、自分が映りこんだ映像や、自分の話し声を聴くのは耐え難い…というタイプです。
なので、最前列に座って、しかも大画面で、私が主人公となっている映像を観るのは、ある種の苦行ともいえる時間でした(^^;)
(でも、後日、改めて紹介映像を見せていただいた時、短期間の取材にもかかわらず、私の活動について多方面に取材して構成していただいていると感じました。多謝!)
紹介映像のあとは、私のスピーチでした。
スピーチでは、まず、私が「プロ市民」人権賞の存在について知った経緯についてお話しました。
2019年、福岡サウンドデモ裁判についての本が出版され、その出版記念トークイベントに行った時に知りました。福岡で行われている様々な市民運動の一環として、「プロ市民」人権賞のこともお話しされていたのです(その時のブログ記事「裁判もDIYの精神で!~福岡サウンドデモ本人訴訟顛末記・出版記念イベント~」はこちら)。
受賞スピーチの中では、故・筒井修さんについてもお話ししました。
この「プロ市民」人権賞は、福岡地区合同労組の争議解決金の一部をもとに始まったそうですが、筒井さんはこの労組の創設メンバーのひとりでした。
50年にもわたり、労働運動や反戦・反天皇制・死刑廃止などの活動に積極的に関わってきたということを、頂いた遺稿追悼集を読んで知りました。
筒井さんの活動年表(提供:いのうえしんぢさん)
私にとって、「人生を変える出会い」は、間違いなくブライアンとの出会いだったと思います。いただいた遺稿追悼集を読みながら、(きっと筒井さんとの出会いによって、その後の人生が大きく変わったという人がたくさんいるんだろうな)と想像したので、そのことをお話ししました。
スピーチの後は、受賞のお祝いメッセージが読み上げられました。お一人目は、西南学院大学・法学部国際関係法学科の田村元彦先生、お二人目は、シビルの映像講座を受講された柴家直子さんから。とてもうれしいサプライズでした!!
そして、表彰式の最後はコント! 映画やわたしにちなんだもののようですが、果たして…
バッチリ決まった衣装といい、掛け合いのテンポの良さといい、役者ぞろいです!
途中から、なんと、私の顔のお面をつけたダンサーたちが登場!
笑いすぎて、化粧が流れ落ちてしまいました(^^;)
ちなみに、このあとの懇親会でお聞きしたところ、リハーサルの時に、ダンサー役の人から、この演出は監督は大丈夫なのか?という心配の声もあったそうです。
…「きっと大丈夫」ということで、続行されたとか(笑)!
このお面、夢にも出てきそう…!!!
さて、無事表彰式が終わり、休憩をはさんで、後半は『ブライアンと仲間たち』の上映でした。
上映の様子。
上映の後には、その後のパーラメント・スクエアについてもお話ししました。
ブライアンの死後、警察が押収したままとなっていたディスプレイ一式(バンクシー寄贈作品3点を含む、合計790点)は、ブライアンの遺族に渡されました。
ブライアンの遺族は、そのディスプレイ一式を、ロンドン美術館に寄贈しました。ロンドン美術館は、それらを長期保管すべく、泥や汚れを洗い落とし、バナーのペンキなどが密着した状態にならないよう、紙を間に挟んで保存するなどの作業をし、一部は展示もしました。(作業の様子は、ロンドン美術館でインターンシップをした学生さんのレポートで観られます⇒こちら)。
ブライアンの死を機に、パーラメント・スクエア周辺の抗議活動に対する規制が厳しくなり、現在は、恒常的な抗議キャンプは、事実上できないような状況になっています。
現在のパーラメント・スクエアの写真を、ブライアンの元サポーターのポールが送ってくれました。
数年がかりの改修工事で、ぴかぴかに輝くビッグ・ベン。
パーラメント・スクエア。(各国の国旗が立っているあたりがパーラメント・スクエア)
首相官邸付近では、ウクライナへの侵攻に抗議する人々の姿が。
今回の、福岡での上映のために、マリアからビデオメッセージを送ってもらいました。会場で上映した映像(3分49秒)を、以下YouTubeでも公開しました。ぜひご覧ください。
ちなみに、日本の上映会に向けてのビデオメッセージは、過去にも1度あります。2009年ヒロシマ平和映画祭での上映のため、ブライアンにメッセージをお願いしたのでした。その時のビデオメッセージ(6分47秒)は、以下よりご覧いただけます。
マリアのほか、映画に登場するキャロリンからも、最近の写真を送ってもらいました。娘さんが撮ってくれた写真だそうです。
息子さんと一緒に。(よく見ると、息子さんの靴が左右で違う?! お母さんに似てかなりのおしゃれ上級者ですね!)
映画に登場するバニーについては、以前彼の近況をブログに書きましたので、興味のある方は読んでみてください(記事はこちら)。
パーラメント・スクエアと映画の登場人物たちの近況報告の後は、会場でご覧になった方々から、感想や質問などをいただきました。
最後に記念写真。この日のために準備をしてくださったスタッフの方々、そしてご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました!!
表彰式+上映会の後は、懇親会がありました。
福岡ならでは(?)、明太子が入った卵焼きと、ゴマサバ。「ゴマサバ」という種類のサバもありますが、こちらのゴマサバは、ごま油と醤油で和えた刺身です。サバの刺身とは、珍しいですね!
向かって右から、小倉利丸さん、古瀬かなこさん、いのうえしんぢさん。
その後はとんこつラーメンのお店へ。
お店自体が、アート作品のような佇まい!
お店の外のベンチも。
とんこつラーメンも美味しかった!!
この日は会場近くのホテルに宿泊しました。この日、皆さんからいただいたプレゼントを、ホテルの机に飾って寝ました(^^)
なんと、2009年、福岡アジア映画祭に参加した時の写真!
人権賞オリジナルTシャツ。「MOVIE ACTIVISM」(直訳すると、映像行動主義)と描かれています!
「早川組」というのが、映画っぽいですね(^^)
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さて、福岡2日目の3月20日。午後から、記念講演とミニ映像ワークショップです。
その前に、しっかりお昼ご飯を食べておかねばと、ホテルの外へ。
ネットで調べたとんこつラーメン(2日連続!)のお店は、宿泊先のホテルから近く、口コミも良さそうだったので、そこに行くことにしました。
なんと、お店の向かい側に長蛇の列!!
この列に加わっては講演に遅れてしまうので、あきらめて他のラーメン屋を探すことに…
とはいえ、ラーメン店は夕方からオープンするお店も結構あり、なかなか見つかりません💦💦
まさかの「ラーメン難民」として、福岡の街をしばし彷徨う…
やっと、親不孝通りのとんこつラーメン屋さんを見つけ、そこで食べました。
無事、ラーメンを食べ終え、講演の会場に向かいました。
講演に加えて、ミニ映像ワークショップも混ぜたというのは、私からのリクエストでした。今回の、「プロ市民」人権賞受賞にあたり、私の映像制作に加え、映像ワークショップに対する取り組みも注目していただいたので、少しワークショップ的な要素も含めたいと思ったのです。
とはいえ、本格的なワークショップをやるとなると、参加者用の機材の準備も必要ですし、1~2時間では終わらないので、技術的な問題以前の、どんな視点で撮影するか、編集するかといった、「考え方」の部分のみ取り上げました。これは、機材の扱い方の上手下手には関係ありませんが、むしろ技術的な面以上に大事なことだと思います。
講演を聴きに来てくださる方のほとんどは、映像はあまりやっていない(映像がメインの活動をしているわけではない)としても、例えば、市民運動や労働運動などに関わっている方ならば、当事者の名前を出すか、仮名にするか、顔を出すか、具体的な内容をどこまで書き公表するかetc、様々な局面で「どうするか?」という壁にぶつかった経験があると思います。仮名にするとしても、書き方によっては本人が特定されることもありますし。
ビデオカメラを構えたことがなくても、きっとこの問題意識は共有できるはずだと考えて、SNS・ネット時代の映像表現…というようなテーマで、自分の体験や、ほかの制作者の事例を織り交ぜながら、映像の持つ可能性や課題についてお話ししました。
講演の様子。
この日は、福岡アジア映画祭の前田秀一郎さん、今村ミヨさん、そして福岡YWCAの野﨑千代さん、友人の山口慧子さんもいらしてくださいました、ありがとうございます!!
無事、二日連続のイベントを終え、スタッフほかの皆さんと近くの韓国料理屋へ。
飛行機の時間があるので、大急ぎで鍋まで頂きましたが、美味しかったです。また行きたい!!
無事、飛行機に間に合い、東京へ戻りました(^^)
以下、今回の福岡訪問で出会った方々から頂いた資料をご紹介します:
〇防衛大のいじめ裁判に関する資料(報道についてはこちら)。
〇雑誌「住民と自治」
雑誌の中の、「カネミ油症被害者全国連絡会」事務局長・三苫(みとま)哲也さんの記事。(連絡会設立に関する報道はこちら)。
〇「PP21ふくおか自由学校」のリーフレット。
昨年の講座の内容。「スマホで作る自分史ムービー」の講座もあります!
〇「福岡・戦争に反対する女たち」の活動チラシ。毎月第1、第3火曜日夜に、天神パルコ前で活動されているそうです。
今回は、2日連続イベントで、福岡の街並みや、活動を見るという時間的な余裕まではなかったのですが、また今度福岡に行ける機会があったときには、今回出会った方々の活動に参加してみたいなと思います!
2日間、大変お世話になりました、ありがとうございました!!
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「プロ市民」人権賞のホームページにも、スタッフの方による表彰式、記念講演のレポートが掲載されています。こちらもぜひご覧ください(^^)/
〇1日目のレポート:人権賞イメージビデオ上映から幕を切る(⇒こちら)
〇2日目のレポート:記念講演会と映像ミニワークショップ(⇒こちら)