コロナ禍を機に始めた、週イチの農業研修。全10カ月のコースの、後半の折り返しから修了まで、Twitterの投稿をベースにまとめてご紹介します。
前半および後半の折り返しまでは、以下をご覧ください。
⇒前半のレポートはこちら。
⇒後半の折り返しまでのレポートはこちら。
以下、後半の折り返し~修了までをご紹介します。秋冬野菜の栽培・収穫のポイント、冬の間の土づくりなど、情報満載です♪
〇2021年11月4日
今日は、農業研修の番外編で、希望者のみ「蕎麦」の収穫・脱穀作業に参加してきました!
蕎麦畑なんて、私は見るのも収穫するのも初めてです。茎は赤くて細いストローのような感じ(?)で、意外でした。
固めの茎をカマで収穫し、脱穀機まで運びます。
足踏み式の脱穀機は、稼働を始めて1時間で故障(> <)!
農協に電話をしたら、すぐに修理は難しいとのこと。足踏み式の機械自体ずいぶん古めかしいですが、それさえ壊れてしまったら、あとは竹竿で叩いて脱穀と…!「これじゃあ縄文時代だよ」ですって!
ちなみに蕎麦はこんな感じです。三角錐のような形のものが蕎麦の「実」の部分。脱穀してこの実だけが欲しいわけです。
個人的には、竹竿で広範囲を叩くよりも、手で実だけしごく方が効率的で速いと思いましたが、どうでしょうか?? 脱穀機が壊れたので、脱穀をあきらめ、作業は早めに終わりました。
(後日談:本来ならば、蕎麦は収穫して数日間乾かしてから脱穀するそうです。そうすれば、軽くはたくだけで実が簡単に落ちるようになります)
〇2021年11月6日
今日の農業研修レポ。最初の作業は、ナス畑の撤収作業でした。
秋まで収穫が続いたナスは、木の幹のような太さにまで成長していました。
のこぎりで上部を切り落とし、機械で粉砕(⇒たい肥の材料に)。
根をシャベルで掘り起こして焼却。ボロボロになったマルチは、剥がして専用袋に入れて捨てます。
ナス同様、秋まで収穫が続いた「ピーマン」も撤収作業をしていました。
コンパニオンプランツ(害虫除け)として、ピーマンの根元付近に植えられていたイタリアンパセリも、とても大きく成長していました。
パセリは「固いので食べられない、捨てる」とのことだったので、収穫して持ち帰ることに。
今日の研修のメインは、玉ねぎの移植です。
玉ねぎの苗は、種まき後約55日で移植するそうです。
ひと畝あたり600苗、全4畝を研修生&スタッフ総出で植え付け。1時間みっちり、大変な作業でした💦
ちなみにこの日の移植は「予行練習」に過ぎず、来週はプロの玉ねぎ農家さんを訪ね、3時間も移植作業を手伝うそうです!
ちなみに研修農場では、様々な栽培方法が試されています。夏野菜の定番で、真夏の短い期間にだけ収穫できる…というイメージのキュウリですが、こちらのキュウリは9月に種まき&地這え&露地栽培で育て、11月の今も立派なキュウリが収穫できています。これはすごいこと!!
この日のお土産野菜。大根、カブ、小松菜、ほうれん草、人参、大量のパセリ、ナスのコンパニオンプランツとして植えられていたニラ。ニラは、根ごともらったので、プランターに植え替えれば育てることもできます。
ニラを浅いプランターに植えかえる際、長すぎる根が邪魔でした。野菜は(モノにもよりますが)根を切ると、がんばって成長しようとすると聞いたので、短くカットして植えてみました。
(後日談:プランターの深さが足りなかったのか、根を短くカットしたニラは、ほとんど成長しないまま枯れてしまいました💦)
「固くて食べられない」と言われたパセリですが、ニンジン葉の経験から(ミキサーがあれば大丈夫)と確信していました。ネットで「パセリ 大量消費」と検索し、パセリソースを作ることに。
材料はニンニク、アンチョビ(無くても良い)、オリーブ油。
ひと株分とはいえ、大量です!
パセリの葉は大きめの鍋やボウルなどで、たっぷりの水で良く洗い、水切りやペーパータオルなどで水分を良くふき取ります。
ざっくり刻んだら、材料をすべてミキサーに入れて攪拌。
パセリの葉はかさばり、一度には入れられないので、数回に分けて入れました。
パセリソースは「肉、白身魚、シーフード、野菜など何にでも使える万能ソース」と紹介されていました。
ソースとして使うほか、バターに練りこめばガーリックバターになり、バゲットに塗っても良し…とあったので、早速やってみます!
見た目が全体的に緑過ぎるような気もしますが💦、ソースは肉にも野菜にも合いました!
中でも、ガーリックバターの美味しさが格別!
ソースを作ってからバターに練りこむという手間は、まるで「フランスパンを作るのはラスクを作る通過点に過ぎない」…ぐらいの手間ですが、やる価値ありと思えました(^^)
〇2021年11月13日
今日の農業研修レポ。今日は、市内のプロ農家さんの畑で、玉ねぎの苗移植作業手伝いでした。普段、研修農園までは自転車で通っていますが、農家さんの畑は自宅からかなり遠かったので、一緒に研修を受けている人に車で送ってもらいました。
広大な山の中に様々な野菜の畑が点在する別天地!!
ほうれん草畑を通り過ぎ、自慢のたい肥小屋へ。
この大きなプレハブ全体が、たい肥を作るためだけのスペースです!
3年かけて熟成させる秘伝のたい肥は、昔、高値で買いたいと言われても、絶対売らなかったそう。
タンクを連結させ、雨水を有効利用。
いよいよ玉ねぎ畑で作業開始! 数種類の玉ねぎの苗をひたすら移植していきます。この日も季節はずれに暑かった~💦
作業後半は、サツマイモ掘りもしました。研修農園のより、ずっと大きなサツマイモでびっくり!! やはり、土づくり、たい肥づくりで差が出るのでしょうか?
こちらは援農実習でお邪魔しているのに、作業後は豪華なお昼ご飯で歓待してくださいました。
畑で取れたばかりの野菜、シイタケ、自家製の漬物など、神々しさすら感じる美味しさ。野菜作りのみならず、日本の農業の現状や将来、地域の課題などお話は多岐にわたりました。
食器は井戸水で洗います。
農家さんからのお土産野菜。ほうれん草と玉ねぎ。たくさんいただいて帰りました(^^)/
〇2021年11月20日
今日の農業研修レポ。自主研修の畑で栽培する秋冬野菜、すっかり大きくなって来ました!
白菜、ミニ白菜は結球が進み、大根はもう来週には収穫できそうです。
研修の最初の作業はサツマイモ掘りでした。
まず、手でイモの周囲の土をどけてイモの位置を確認したら、イモを傷つけないよう十分離れた距離にスコップを垂直に挿して、下から掘り起こします。
イモの表面が擦れると商品価値がなくなってしまうので(手でちょっと乱暴に扱うだけですぐ擦れてしまいます)、注意が必要です。
次の作業はたい肥の切り返し。今の時期は外気温が下がってくるので、発酵の温度が下がらないよう、ブルーシートをかぶせて保温します。
ブルーシートの上になにかうごめいている…と思ったら、大量のウジ虫でした…!!
見た目はかなり気持ち悪いですが、たい肥作りの観点からは、ウジ虫は有益な生物です。
発酵の初期のころは、水を加えて発酵を促したり、温度を調整します。
たい肥の切り返しまでで今日の実習作業は終わり、残り2時間は「今後の進路」についてでした。
農業研修は来年1月末までなので、もうゴールが見え始めています。研修の後、本格レベルであれ余暇レベルであれ、「農」にどんな形で関われるのか。近隣の関連施設に車で見学に連れて行ってもらいました。
最初に連れて行っていただいた農園の様子。
周辺に家がほとんどなく、馬がのんびりと放し飼いされ、焚火で調理…。こんな景色・光景が保全されていることに感激しましたが、実は耕作放棄地を10年ほどかけてここまで整備したのだそうです。
こちらでもたい肥作りの真っ最中。白いのは米ぬか。栄養豊富な米ぬかですが、配合は1割以下にしないと、逆に栄養過多・虫の大量発生に繋がるそうです。
ここは実験的な農場として様々な栽培方法を試す他、民間のバイオ企業にも圃場の一部を貸して代理で栽培・管理し、有機肥料の開発・栽培試験にも使われています。
私が特に興味を持ったのはこちらの一角。農薬や化学肥料を使わないのは勿論、有機由来の肥料さえ使わない「無肥料栽培」を実験しています。
収穫を終えたシイタケの菌床などを利用し、肥料の力を借りなくても土自体が自らの力で改良していく仕組みを作って育てます(大雑把すぎる説明ですみません💦)
先に述べたように、肥料は有機でもやりすぎると栄養過多・虫がつく・病気に弱くなる…という弊害があります。私自身、つい最近始めた空き地での野菜作りで、ほぼ無肥料で育てた野菜にほとんど虫食いがない…という結果を見て(無肥料、良いかも…?)と思い始めていたので、がぜん興味を持ちました。
農園の一角にキウイ畑があり、スズナリになっていました! 沢山収穫させてもらい、お土産に持ち帰りました。耕作放棄地の取得は、大抵ほしくない山林部分とセットになっていることが多いそうで、このキウイ畑周辺も自分たちで開墾したそうです。今後だんだんと果樹も増やしていく予定だとか。
次の訪問地へ。こちらは、2年間の本格的な農業研修で、卒業後は新規就農者として認められます。
栽培は慣行栽培(農薬と化学肥料を使う)で、定番野菜を市場の基準・規格で作れるように訓練します。
家庭菜園をやっている人の多くは(私も含め)、市場であまり見かけない珍しい野菜(菊イモとか)の栽培をやってみたくなるものですが、「生業」として農業をやるならば、定番野菜をきちんと作れることが重要なのだそうです。結局、継続的に・数量的に需要があるのは、定番の野菜だからです。
2年の研修で新規就農者になれるといっても、それで「食べていく」のはまた別の大変な話。農地を借りるのさえ、農家の出身ではない・血縁や地縁がないと、農地法や農業委員会の壁に阻まれ、資格があっても一歩を踏み出すことができません。土地が限られる都市農業はなおさらです。
2か所の見学を終え、研修農園に戻りました。写真は今日のお土産野菜。
サツマイモ、長ネギ、大根、カブ、ほうれん草、ターサイ、カブなどの間引き菜、自分たちで収穫したキウイ。
固くて未熟なキウイは、リンゴと一緒に袋に入れると早く熟すそうです。(結局、熟すまでに2週間ほどかかりました💦)
〇2021年11月27日
今日の農業研修レポ。生育状況の異なる、2畝のキャベツ畑。ひと畝は追肥し、もうひと畝は収穫をしました。
軽く触ってみて、しっかりと固く結球された状態になれば、収穫適期だそうです。
続いてブロッコリーの収穫。葉が大きいので、かきわけるようにして探します。収穫時期を少し過ぎると、つぼみが黄色くなり始めてしまうので、その前に収穫するのがポイントです。
可食部を保護するため、葉の部分も残した状態で収穫した方が良いそうです。
大きく育ったブロッコリーを、包丁で収穫しました!
ほうれん草と水菜の収穫。葉物野菜は、朝の早い時間帯は夜露に濡れ、折れやすくもあり、収穫には不向きだそうです。ある程度日が昇り、乾いてから収穫します。
水菜は、扱いにくい髪の毛のごとく、長く広がって伸び放題。ポニーテールのようにきれいに束ねて収穫します。
この日は、秋冬野菜の収穫ラッシュで、収穫した野菜の仕分けもひと仕事でした。
沢山収穫された大根は、一部、畑で干し大根に。以前、私は軒下で大根干しをしましたが、このように雨除けなしで、雨にぬれても問題ないのだそうです。知らなかった!
最後は自主研修の畑で間引き、追肥、収穫などの作業をしました。
今日のお土産野菜。自転車の前&後ろのかごは、いつも野菜で満杯です💦
大根2本(赤・白)、水菜、ブロッコリー、キャベツ、間引きしたカブなど。
キャベツとブロッコリーは、自分で選んで収穫したものです。立派でしょう!
現在、野菜のおすそ分けをするご近所さんが2世帯に増えたのですが、どちらも夫婦のみ世帯なので、大根1本とかキャベツを丸ごと差し上げても、彼らも食べきれません💦 なので、キャベツは4等分して分けました。
ブロッコリーの茎は、これは長く刈り取りすぎです。もっと残せば、その後も脇芽が収穫できるそう。
大根もすぐには使いきれないので、干しかごを使って干し大根を作ることにしました。家庭菜園・露地栽培は、同じ野菜が大量に・同時期に収穫できてしまうので、保存食にするのが良いですね!
来週の農業研修は、大収穫祭&芋煮会だそうですが、私は都合が悪く参加できません。悲しい~
〇2021年12月11日
今日の農業研修レポです。2週間ぶりの畑は、周辺がきれいに紅葉していました。
農業研修は年間通じて朝9時からですが、真冬の期間は、朝は霜が降りているので、早朝の作業は本来は不向きかと思います。
朝一番の作業は、先月移植した玉ねぎの追肥でした。
追肥をしつつ、苗の活着状況も見ていきます。活着せず、枯れてしまった苗を見つけた場合は、畝の傍らに余った苗を予備として育ててあるので、そこから引き抜いて移植します。
追肥のあとは、覆土です。玉ねぎは水はけのよい土を好むので、適度にサラサラで大きな塊のない土を、畑の別のエリアから持ってきて、覆土用とします。
この日は欠席者が多く、少人数で玉ねぎ1万苗分の作業をやるのはかなりハードでした💦
次の作業は「土壌改良」です。この農園は、数年前に果樹から畑に変えたばかりの農地なので、土壌改良を積極的に行っていく必要があります。
まず、鍬で深めに溝を掘ります。鍬の使い方も、もうすっかりサマになっているでしょう?!
深い溝を掘ったら、稲わらを溝にまき、足でよく踏みつけます。
その上から、木材チップ(おが屑状にまで粉砕されたもの)を十分にまいていきます。
最後に土を被せて終了です。
稲わらが部分的に地上に飛び出ていますが、これは良くありません。地上部分に出た稲わらは、土壌改良の役割を果たさないので、きちんと土に埋め込む(その為には溝を深く掘り、稲わらを足でよく踏み込んでおく)必要があります。3ヶ月で分解され、土壌改良されるとのこと。
最後は、自主研修の畑での作業でした。もうこの時期はひたすら収穫あるのみです!
赤大根も、十分太って美味しそう!!
白菜の「おしりの処理」についても教えてもらいました。
自家用ならば、根元から包丁で刈り取っただけで十分ですが、出荷するものや、農業組合の品評会などに出す場合は、このようにおしりの処理をし、布巾等で泥をぬぐって見栄えをよくするそうです。
以下の写真は、自主研修の畑で収穫した野菜。手前の赤く細長い野菜は、「日野菜かぶ」という関西の伝統野菜。東京のスーパーではほとんど見かけませんが、関西では漬物野菜として知られているそうです。
様々な品種のサツマイモは、「ご自由にお取りください」との事だったので、少しずつ頂いてみました。
今日のお土産野菜。大根2種(赤・白)、カブ2種(一般・日野菜)、ほうれん草、春菊、ミニ白菜、各種サツマイモでした。
ご近所さんにカブ2種と春菊を差し上げたところ、関西出身の方なので日野菜カブに大喜び。お返しに…と洗剤をいただきました。関西ではそんなに人気のある野菜なのでしょうか?!
大根の消費が追い付かないので、研修仲間に教えてもらった「はりはり漬け」に挑戦してみました。
大根を数日間干し、酢・醤油・砂糖・酒を煮たてた漬け汁に、生姜のみじん切り・輪切り赤唐辛子とともに漬け込みます。簡単に、しかも美味しくできました。おススメです!
〇2021年12月18日
今日の農業研修レポ。この時期、一番困るのは「服装」です。行き帰りの自転車&日陰での農作業は寒いし、日なたで力仕事をすればすぐ暑くなる…。分厚いジャケットを羽織るよりも、脱ぎ着しやすいよう、薄手の素材の重ね着の方が快適です。
さて、朝一番の作業は「白菜の鉢巻き」でした。
白菜の分厚い外葉を束ね、上部を麻ヒモで鉢巻きのように軽く縛ります。こうすることで、白菜は寒さにやられることなく越冬でき、畑に植えたまま2月ごろまで収穫が可能になります。また、えさのない冬場、ヒヨドリなどが白菜をついばんで食べてしまう被害から、(多少は)守れます。
次の作業は、研修農園からやや離れた雑木林で、落ち葉あつめでした。大量の落ち葉を集め、サツマイモの苗床として使うためです。
熊手や竹ぼうきを使って、とにかく集めまくります。作業効率の良い落ち葉集めのためには、事前に(夏の間に)下草刈りをきちんとやっておかないといけませんが、ここはほぼ放置林です。
この放置林の現在の所有者は財務省と東京都。かつては私有地でしたが、相続税を払えずに「物納」したそうです。きちんと整備すれば雑木林の活用ができますが、財務省と都の管理ではそんな事はしないので、放置林となっています。勿体ないですが、全国にこのような場所は沢山存在するだろうと思います。
雑木林から戻った後は、「麦踏み」をしました。麦は、冬の間に2~3回踏みつけるそうです。その理由は?と聞かれ、「踏みつけてたくましくするため!」と研修仲間が答えましたが、麦踏みには精神論・根性論ではない、合理的な理由があるのだそうです(^^;)
麦を踏みつけることで、茎が折れ曲がります。そうすると、葉の部分に栄養が行かず、根に栄養を蓄えます。そうすることで、しっかりとした根を育てるのだそうです(麦は実ると重いので、根がしっかりしていないと収穫前に倒れてしまいます)。
研修の最後は自主研修の畑で、今日もひたすら収穫でした♪
今日のお土産野菜。自転車の前後のかごに無理やり詰め込んで帰宅。白菜、大根2種、大根の隣の大きなカブは、千枚漬けで知られる聖護院カブ。普通のカブ、日野菜カブ、ユズ、ゴボウ、法蓮草、サニーレタス、レタス。
普段は自分で適当な野菜を見繕って、ご近所さんにお届けしていますが、今日は沢山種類があるので、ご近所さんに声をかけて、私のうちで好きな野菜を選んでもらうことにしました。
関西の人なので(←偏見?)、聖護院カブ、日野菜カブが欲しいと。その他、法蓮草半分。だいぶ減ってくれて助かりました!
今日のお昼ご飯に、日野菜カブを塩こうじで和えた即席の浅漬けを作ってみました。柔らかく、クセもなく美味しかったです!
大根の葉は傷みやすいので、さっと茹でて冷凍保存。ボールのような塊にすると、凍った状態で使いにくいので、平たくビニールに入れます(必要な分だけ割って使える)。以上です!
来週は残念ながら欠席なのですが、年内最後の研修なので今日の倍はお土産があるそう!
〇2021年12月19日
農業研修で8月下旬に収穫し、自宅で乾燥させた赤唐辛子。
爽やかな辛みが気に入って、人にあげたり自分でも食べたりしていたら、残り3つになりました。
「購入はできますか?」とスタッフの方に尋ねたら、もう完売したが、売り物にならない小さなものならあげると言われたので、今朝取りに伺いました。
農園で育てた野菜の一部を、毎週日曜日、施設の軒先で販売し、活動資金に充てているそうです。
野菜は、有機なのにほぼ全て100円均一という激安設定なので、午前中には完売してしまうそう。
一人でこんなに買い占めていく人も(これだけ買っても800円!)。
「売り物にならない小さなもの」と聞いていたので、破片のような感じかと思ったら、全然立派な唐辛子を沢山頂きました! そのほか、20年以上手作りしているという自慢の干し柿まで。
こちらの「きなこ餅」は、私の最近のお気に入り菓子で、お礼のために差し上げたもの(地味に美味しいです!)。
〇2021年12月25日
今日の農業研修レポ。最初の作業は、サツマイモの苗床づくりでした。
サツマイモは寒さに弱いため、種芋を冬越しさせ、芽出し・苗を育てるために、苗床を作ります。
前回集めてきた大量の落ち葉に、木材チップ、一次生成物、米ぬか、野菜くず、水を混ぜ、それらの発酵熱を利用して冬越しをさせます。
野菜くず
木材チップ
米ぬかと一次生成物
トタンを使って作った苗床。一番下には、粗目の木材チップを敷き詰めます。
木材チップは、剪定枝のリサイクルセンターに自分たちで取りに行けば、軽トラ1杯分で400円程度で入手できるそう。(農業資材店で買うと1袋400円…!)
チップを投入したら、平らにならします。
木材チップを敷き詰めた上に、大量の落ち葉を投入していきます。とにかくひたすら踏みつけて、カサを減らし、どんどん落ち葉を投入します。
途中で適宜、一次生成物、米ぬか、野菜くずも混ぜながら、ひたすら踏みつけ作業。これがかなりの重労働で、寒い中でも汗だくになりました💦
ひたすら落ち葉が投入される「わんこそば」状態…。ちなみに、現在の農家さんでは、こうした昔ながらの苗床を作るところは少なく、電熱(電気)を使った苗床が主流だそうです(その分コストはかかります)。
発酵には「水」が必要です。最後に水を80リットル程度まき、ぶ厚めのシートを被せて完了。1~2か月で30度近くの温度になります。
農業暦では「こぶしの花が咲くころにサツマイモの苗を植える」そうですが、2月に種芋を苗床に置き、芽出しをすれば、こぶしの花が咲く春に、ちょうど苗を植えられるというわけです!
残りの時間は、自主研修で栽培している畑の収穫作業でした。
白菜、大根、カブ、法蓮草などは順調に育ち、収穫あるのみですが、ブロッコリーは、ここまで葉が大きくなっているものの、肝心な可食部分(花蕾)がまだ出現せず…。研修が終了する1月末までには収穫できないだろうとのことでした。
以下の写真は、ほうれん草、サトイモの収穫の様子。
この日は年内最後の作業日のため、普段より多めに収穫をしました。
漬物が得意なスタッフの方が、日野菜カブの塩漬けを作って、差し入れをしてくれました。使ったのは塩のみとのことなのに、この美味しさ! 材料が少なくシンプルなほど、腕の差が出そうです。
畑の一角では、ネギの炭火焼き。こちらも、トロットロで最高の味でした!
今日のお土産野菜。ほうれん草、長ネギ、大根(赤・白)、ブロッコリー、日野菜カブ、レタス、サトイモ、春菊でした。これぞ冬野菜、鍋野菜といった品目ばかりですね(^^)。
研修は来月末で終わり。10ヶ月ってあっという間だな~!
〇2022年1月8日
今日の農業研修レポ。木曜日に降った雪は、私の家周辺では、土曜日には道路わきに少し…程度まで溶けていたので、普段通り自転車で農園に行ったら、こちらはまるで雪国のようでした💦
道路は完全にアイスバーン状態でツルツル。自転車を押してこわごわ歩きました。
私は普段通りの長靴&薄手の靴下でしたが、雪の上での長時間の作業は、足元が凍傷になる恐れがあります。スタッフの方は、分厚い靴下2枚履き&厚底の長靴&足裏用カイロで対策をしているそうです。確かに、作業で体は温まっても、足裏はずっと冷えたままでした💦
最初の研修は、長ネギ掘り。土中に埋まったネギを傷つけないよう、ネギから少し離れた側面を、まず鍬(ショベルでも可)を使って土をどけます。そこにショベルを深く突き刺し、ネギを下から掘り起こすように土ごと持ち上げます。土が凍っているので、ショベルを深く突き刺すのに苦労しました。
説明を受けた後は、自分たちでも掘ってみます。
「好きなだけ収穫して良い」とのことだったので、持ち帰りのことを考えず、沢山収穫してしまいました!
長ネギは直売所で一部販売もしています。販売するものは、葉の枯れた部分をハサミで切り、ひげ根を整える程度にカットし、外皮は土がついたままの状態で売りに出します。
大量生産する農家さんとは違って、こちらの研修農園ではかなりの手間暇をかけるので、ネギは丸々太って立派です! 農家さんが見学に来るほどだそうです。
この日、スタッフの方々は、朝一番から「寒起こし」の作業をしていました。寒起こしとは、畑に霜が降りる厳寒期(1~2月)に、土を掘り起こし寒気にあてる作業のことです。そうすることによって、寒さで病害虫や病原菌を死滅させ、雑草の増殖を抑え、土の中に新鮮な酸素を送り込むことができます。
また、土が凍結と解凍を繰り返すことによって、土壌の構造が団粒化するため、土壌改良の効果もあります。ただ、現在の農家さんでは、このような昔ながらの寒起こしはせず(手間と労力がかかるため)、耕運機で掘り返すだけというところも多いそう。しかし、それでは寒起こしの効果は期待できません。
なぜなら、耕運機では掘り起こしが浅く、なおかつ、土の塊をほぐしてしまいます(そもそも耕うんが目的の機械なので)。寒起こしは、深く、そして塊のままほぐさない(土壌の凍結と解凍を繰り返させるため)というのがポイントだからだそうです。
寒起こしは、冬野菜の収穫を終えたエリアから順次行っていきます。スタッフ&研修生総出で、1時間以上かけて作業。体は汗だくになりましたが、やはり足元は冷たいままでした💦 凍傷対策は必ずやっておかないとですね💦
毎週恒例の、たい肥の切り返し作業。たい肥は、発酵を促す保温のため、ブルーシートをかけて保管しています。この寒さの中でも、たい肥の山の内部は暖かく、湯気が出てきました!
この日のおやつはジャガイモ(きたあかり)。男爵を品種改良した、ほくほくで美味しい品種です。
研修の残り時間は、自主研修で栽培している畑での作業。まるで雪国のような光景…!
カブは雪の中にすっぽり埋まり凍っていたので、収穫しませんでした。
自主研修畑の、大根は収穫ができました。赤大根も、すっかり太っています。土が凍っている分、引っこ抜くのは普段より力が必要でした。
白菜は「鉢巻き」をしていたおかげで、この雪の中でも内部は守られ、外葉をはがすと中はとてもきれいな状態でした。まだ成長の遅かった株には鉢巻きをしていなかったので(成長途中に鉢巻をすると、成長が阻害されてしまうので)、それらにも鉢巻きをしました。
この日のお土産野菜。1枚目の写真は、自転車のかご(前後)に入れる、お持ち帰り時の状態。2枚目の写真は、帰宅して袋から出した状態。この日のお土産は、長ネギ、大根(赤・白)、白菜でした。
長ネギをご近所さんにおすそ分けしたら、あまりの美味しさに感動され、お菓子をいただきました(^^)
〇2022年1月15日
今日の農業研修レポ。最初の1時間は、農機具に関する座学でした。
学習のメインは、農作業でよく使われる「刈り払い機」(草刈り機)について。円盤刃と紐(ナイロンコード)の2タイプがあります。
円盤刃には人工ダイヤモンドチップが使われ、とても鋭利で、太く固い草木の枝も切れます。一方、紐(ナイロンコード)のタイプは、作業スピードが速いのが売りです。
草刈りのためポピュラーに使われる刈り払い機ですが、実は農機具で最も事故が多いのも、刈り払い機だそうです。円盤刃による事故、石飛び跳ね、巻き込まれ等。きちんと講習を受け、基本動作を習熟し、経験を積んで正しい感覚を身に着けることが肝要とのこと。
ちなみに、農機具の事故で2番目に多いのは、”小型”耕運機による事故。大型ならば、車両が安定し横転することは少ないですが(地形の境目が分からず崖から落ちることはあり💦)、自分の体のバランスを使って操作する小型の場合、事故が多いのだそうです。
その他、農作業の用具の用語の説明もありました。農作業の現場では、正式な商品名よりも、「通称」で呼ばれる用具も多いです。例えば、「一輪車」を「ネコ」と呼んだり。それらを知らないと、援農などの現場で「ネコ持ってきて」と言われて(???)となったりします。
面白かったのは、「農家の日常会話例」について。私は研修を受けるまで聞いたこともない言葉でしたが、実際、農作業の現場では良くつかわれます。「うなう」「さくる」は特に頻出。聞いたところ、これらは特定地方の方言ではなく、農家は全国的に使っているだろうとのこと。(真相不明💦)
座学の後は、実際に実機を使いながらの説明を受けました。
こちらが、2種類の刈り払い機。
ナイロンコード(写真の中のオレンジの紐)タイプは初めて見ました。(こんなので草が刈れるのかな?)と疑問に思いましたが、エンジンをかけたらものすごい音を立てて高速回転。確かに威力がありそうです。
こちらのスタッフの方は、サラリーマンを定年後、職業訓練校で園芸を学び、その後、公園整備のお仕事に就いたそうで、まさに刈り払い機の先生です。
その先生から、刈り払い機の注意事項をさんざん聞き、私自身は実機に触れずにただ見るだけでした💦
先生の実演に続いて、数名の研修生も実機を使ってみました。刈り払い機の使用中は、小石や木片の飛び跳ねなどのため、円盤刃は5m以上、ナイロンコードは15m以上、人や車、建物などから離れる必要があります。実際の現場では、そこまでの距離を確保できない場合も多いそうですが。
刈り払い機の講習の後は、聖護院カブの収穫と撤収作業でした。
この農園では、マルチ(ビニール)は、傷みが少なければ再利用します(農業資材は、なにげに高価なのです!)。竹の棒を芯にして、端から巻いて保管します。
最後は自主研修の畑での作業。白菜をすべて収穫し、白菜のお尻部分に敷いていた稲わらは、枝切りはさみで適当な大きさに切り、土中に埋めて土壌改良に使用しました。
自主研修畑で栽培している野菜のうち、いまだ収穫できないでいるのは、ブロッコリーです。
可食部の花蕾部分が、かき分けないと見つけられないほど、まだ小さいのです。
先生によれば、ちょうど花蕾が大きくなる時期に、今冬は寒さが厳しくなったからだろうとのことでした。
一方、研修農園の三浦大根は立派です!
今日のお土産野菜。三浦大根、白菜、菜の花、カブ。
三浦大根は、まな板からはみ出すほどの大きさ!
食べきれないので、適当な大きさに切り、干して保存食にします。
白菜も食べきれないので、四つ切にして半日干し、白菜漬けを作ってみることにしました。レシピは、土井善晴さんのを参照しました(レシピはこちら)。
白菜漬けのためには、ふつうは「漬け樽」のようなものが必要ですが、私は持っていないので、「洗濯かご」で代用(^^;)。
かごをきれいに洗い、45リットルのごみ袋を2重に被せ、塩をまんべんなくまぶした白菜を入れます。(注:塩を「まんべんなく」と書きましたが、他のレシピによれば、白菜の芯の部分を中心に塩をまぶす方が良いそうです。分厚くて固い芯の部分に塩をまぶし、やわらかい葉の部分は塩をまぶすと塩辛くなりすぎるので避けます)
美味しい漬物にするには、良い塩を使うのがポイント!
白菜を入れたビニールの口をしっかり縛り、洗濯かごの中に収め、ペットボトルの重しを載せます。重石は白菜の2倍の重さ(私の場合は、白菜が2キロだったので重石は4キロ)なので、2リットル単位のペットボトルは計算が楽です。
ご近所さんから、先週の長ネギのお礼にミカンとサツマイモをいただきました(^^)
〇2022年1月22日
今日の農業研修レポ。来週は修了式なので、この日が研修の実質的な最終日でした。まん延防止期間中ですが、研修農園はソーシャルディスタンスは十分すぎるほどなので、普段と変わらず研修が行われました。
以下の写真は、寒冷紗とべた掛けをしたソラマメとさやえんどう。春になったら一気に成長するそうです。
最初の作業は、玉ねぎの追肥(2回目)でした。
こちらも、大きさは先月からさほど変化がないように見えますが、春になるとぐんぐん大きくなるそうです。この、冬の間の、地下で力を蓄えている感じが好きです(^^)
霜にやられてしまった苗は、畝の脇で育てている予備の苗と植え替えるのですが、土が凍っていて出来ませんでした💦
次の作業は、麦踏みの2回目でした。
無事冬を越した麦は、春以降成長し実ります。麦の穂がつきはじめるとスズメ対策が必要で、スズメが嫌がるきらきらと光るテープを張り巡らせるそうです。そのほかは、台風でなぎ倒されないようにすれば、無事収穫までたどり着けるそう!
最後は自主研修畑での作業。残っている大根をすべて収穫しました。ブロッコリーの収穫は間に合わないのでそのまま。
マルチは再利用しますが、農家さんでは捨ててしまうところがほとんどだそうです。マルチの裏に虫の卵がびっしりついていたり、病原菌が付着していたりもするので、再利用が必ずしも良いとは限りません。
栽培を終えた後は、マルチやごみなどを取り除き、耕うんして、次の野菜の担当の人にバトンタッチするそうですが、土が凍っていて、耕運機が深く入っていきません💦 もしくは局所的に深く入りすぎてしまい、抜け出せませんでした💦
ならば…と、大型の耕運機での耕うんも試みましたが、大型でも結果は同じで、表面を滑っていくだけでした。なので、自主研修の畑は、耕うんしないところまでで終了。
今日のお土産野菜。長ネギ、赤大根、ミニ白菜でした。
(おまけ)先週もらった白菜を、白菜漬けにした…と書きましたが、その後のレポートです。
下漬けをして2日ほどで十分な水が上がってきたので、軽く水けをきり、唐辛子・昆布・柚子を加えて、今度は重石を半分にして本漬けにします。
本漬け後、3~4日目ぐらいから食べられるそうです。ジッパーの袋に分けて保存します(涼しい場所または冷蔵庫)。
美味しそうに出来上がっています!
ご近所さんにもおすそ分けしたところ、好評でした♪ 90歳の方より、「あなた、おばあちゃんみたいなことばかりするのね」と言われました(^^;)
すぐになくなってしまったので、これから2回目を仕込みます!
〇2022年1月29日
今日の農業研修レポです。この日は最終回で、修了式でした。
テーブルの上には、かわいい紅白饅頭と、茹でたジャガイモが(^^)
修了証書をいただき、先生のお話しを聞き(東京の農業・農家の現状等)、最後のお土産野菜(長ネギと白菜)もいただいて帰りました。
昨年3月から、10カ月間の研修。お休みはお盆と正月、そして台風襲来時の計3回のみでした。私は上映会と撮影で2回お休みしましたが、あとはすべて出席しました。今まで自己流でやっていた部分が修正できたり、全く知らなかったことを学べたり…と、とても勉強になりました。そしてなにより楽しかった!!
このまま2年目に突入することも可能ですが、私はひとまずお休みすることにしました。というのも、畑が楽しすぎて、すっかり心を奪われて、映画の方が全くおろそかになってしまっていたからです。今後は緊張感(いや、危機感!)を持って、アーカイブや編集作業に取り組まねば!と気持ちを新たにしています。
以上、10カ月の農業研修レポでした♪
追伸:べランダ菜園と共有地での実験畑は引き続き継続します(^^)!