前回の制作日誌で触れた、安保法案反対・国会前大集会の翌朝、参議院議員会館前で行われている学生ハンストの現場に、一台のど派手な車が現れました。
前日の国会前集会の大群衆の中でも、ひと際目立っていたこちらの車。
車から降りてきたのは、戸田久和(ひさよし)さん。なんと、ハンスト学生たちを激励するために、議員会館前に立ち寄ったのでした!
私は、前日の国会前大集会で、戸田さんの車を目撃し注目していたものの、戸田さんのことは存じませんでした。聞いてみると、なんと大阪府門真市の市議会議員を5期も務める、「革命左翼議員」だと言うではありませんか!(残念ながら、今年4月の市議選で落選し、現在は、社会運動的なんでも屋「戸田アソシエーション」の事業主となって活動されています。戸田さんのホームページはこちら)。
失礼な例えに聞こえたら申し訳ありませんが(そんなつもりはありませんが)、ヒゲにサングラスという風貌と、映画『ゆきゆきて、神軍』をほうふつとさせる車に、私はがぜん興味を持ち、カメラを回し始めました。
興味深そうに車を眺める私に、戸田さんは詳しく車の説明をしてくれました。車体に沢山貼られたメッセージは、ラミネート加工をし、マグネットで車体に貼っているということ(なんと、高速道路でも剥がれないそうです!)。ガラス面に貼り付けるメッセージは、きれいに剥がせるタイプの両面テープを使用していること。スピーカーは、向きを変えることができ、伝えたい方向に向けて演説が出来ること、などなど。
前日の国会前大集会では、50人を超えるマスメディアや個人が、戸田さんの宣伝カーの上にかわるがわる登り、抗議集会の様子を撮影したのだそうです。
集会翌日の新聞各紙。赤旗の一面(中央)に使われている写真は、戸田さんの車の上から撮影されたものだそう!
戸田さんによる、詳しい車の解説動画はこちら!
車体に貼り付けたメッセージ類は、簡単に取り外し・付け替えが出来るので、その時々にあわせて必要なメッセージに貼り変えているそうです。戸田さんが、車をこのように使うことを「これはメッセージアートなんです」と言っていたのが、とても印象に残りました。
メッセージアート。
そう、私がこの車にとても魅力を感じたのも、車体にメッセージを貼りまくるという行為が(アートである)と感じたからではないか、と気がつきました。
経産省前のテントひろばで、反原発のメッセージを、ビニール傘に沢山ぶら下げた「デモ傘」を見て、(これは美術作品である)と感じたのと同じように。
以下の写真、経産省前にテントがまだ建っていたころ、デモ傘をテント前に設置する帯谷さん。
「デモ傘」は、メッセージを伝えるだけでなく、雨よけ・日傘にも、待ち合わせ場所の目印にもなる、とても実用的なアート作品です。
そして、霞が関界隈での、車を使ったメッセージアートと言えば…
「日本一おかき処 播磨屋本店」の、スメラギ特別広報隊(巨大メッセージトラック)がありますね!
大抵3台が連なり、昼夜問わず霞が関周辺を回っています。車体に描かれたメッセージの内容は、正直その真意がわかりかねるものはあっても、メッセージトラックそのものがアートであり(播磨屋さん自身がそう意図しているかは別として)、このトラックが走り続けることの出来る「表現の自由」が、今後も守られていくべきだと思います。
ちなみに、今回このブログ記事を執筆するにあたり、戸田さんのホームページとTwitterを久しぶりに拝見したところ、戸田さんの車は、今月はじめ、高速道路で後輪タイヤが破裂し、車体が転倒して大破損してしまったのだそうです…! 幸いにも乗員4名は無事で、巻き添え事故もなかったものの、愛用の車は廃車とならざるを得ませんでした。う~~~ん、今はもうないのか、このステキな車は!!
残念ではありますが、最後に、私が戸田さんの車に登ったときの写真をご紹介します。
車の上から撮った、ハンスト現場の写真。高さが違うと、ずいぶん景色が変わりますね!
以上、本日の制作日誌でした(^^)/